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ドラマのなかみたいだった

1つのイヤホンを分けて、愛の大きさを問う歌を聴きながら私たちは歩いていた

私が自転車を押して左に立ち君が右側を歩いた

着なれた制服は所々綻んで、ボタンも緩んでいた

夕陽が照らす河川敷を自転車を押して、イヤホンを分け、他愛もない会話をしながら歩いた

ある程度の年月が経過した今、自分でも笑っちゃうくらいドラマのようだったなと懐古した

大人になって、今は1人帰路として通るこの河川敷で不意にその歌が流れた

イヤホンを分け合う相手はいない

「大人になってしまったな…」

どうにも明るい夕陽に当時のような眩しさは感じなかった

でも、分け合った君の今は眩しくあれと願える大人になった私がいた。

#詩 #散文

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