燻らせて馴染んで

煙草の煙は夜の風に吹かれて闇に馴染んだ

ベランダに置かれた灰皿を使うのは僕だけになってしまった

いつもと違う煙草を買って吸ってみた

美味しくなかった

テーブルの上には君が吸っていた煙草があった

1週間前に出ていった君の

捨てられずにいる

君が出ていったその日1本吸ってみた

ただただ煙が体を往復するのを感じた

まるで僕が君に与えた優しさのように体に悪くすぐ消えた

ベランダの灰皿はいっぱいになっていた

いつも君が片付けていたから

夜空に反発するように白い煙を吐き出した

また馴染んだ

でも君の欠けた日々には馴染めないでいる

最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキしてくださるととても嬉しいです。 してくださらなくても、目を通してくれてありがとうございます。