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アゲハ

なぜその花を選んだの?

今にも折れてしまいそうで、緑なんて少ししかなくて、止まるのもやっとの小さな花。

周りをみてごらん?たくさん花は咲いているし、もっと綺麗な色、形、匂い

なのに必死にしがみついている。小さなその花に。風が吹いても砂埃が上がっても。

人間には分からない何かがあるとしたら、私もあなたのような綺麗な山吹色の羽を授かりたい。

人間は疲れる。その小さな花にすがる勇気を分けてほしい。

風が吹いても、砂埃が体を打っても揺るがないその姿勢を。

もし私がその羽を授かる事ができたら強くなるのかな?

でも分かっている。勇気もなくて鈍った私にはその羽は似合いっこない。

私は私、人間は人間にしかなれない。

だったら仕方ないけどこのままでいいや。羽を授かる事ができない、淀んだ私でいいや。

いいや。


#詩 #散文


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