金木犀

肌寒くなってきた。家路を急ぐ。

その途中いつもの公園の前に差し掛かった

いい香りがした。

「今年もこの季節がきたな」

あの子の香水もこの香りだった

肌寒くなるたび思い出して、元気かな?って

だからこの季節は嫌いだ。叶わなかった事が脳から引きずり出されるから。

「…しばらくここは通らないで帰ろう」

そう言いながら明日も通ってしまうのだろう。

この香りと僅かに残るあの子の姿を重ねるために。

ほんとうにダメな男だ。ぼくは。


#詩 #ポエム

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