ある女性へのラブレター

私が心でマダムと呼んでいる、とある女性がいる。1週間のうち数時間を一緒に過ごすような間柄だ。私が彼女くらいの年齢になったとき、彼女のようになりたいと思うような女性。

色でいうと柔らかいオレンジだと思う。いつも明るい。しかしこの明るさはひまわりのようなはつらつとした明るさではなく、柔らかいのだ。機嫌がいいというか、その場が華やぎ朗らかになるような感じ。別に私は場を華やかにし朗らかにさせたいわけではないが、そんな彼女を素敵だなと思う。

彼女とは親子くらい年が離れているが、そのような距離を感じさせない。しかし若作りしているとか、合わせているとかそういった無理もなく、自然にふるまった結果私に距離を感じさせないのだから素晴らしい。もちろん私の知らないことをたくさん知っていて、でもやはり距離を感じさせることなくその知識を分けてくれたり、諭してくれたり、慰めてくれたりする。

彼女は豊かなんだろうなと思う。経済的にも、精神的にも、文化にも詳しいし、自由を感じさせる。非常に豊かだと思う。彼女は多分何かを気にすることはなく、少なくとも年齢を負い目に思っていることはなくて、でもそれが自然なのだ。気にしないように努力しているのではなくて、そもそも気にするという概念がない。誰かの何かとしての彼女ではなく、まず一人の人間として確立していて自分でピシッと立っているんだと思う。彼女をピシッと立たせているのが前述した彼女の朗らかさなのか、ピシッと立った結果朗らかさが生まれるのか。多分後者だと思う。でもじゃあ彼女をピシッと立たせているのは何なんだろう。彼女のかっこよさはどこから生じているのか。

彼女を素敵にさせているものが何なのか私にはわからない。しかし私も彼女のように年齢を重ねたい。

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