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【櫻坂46 小林由依 卒業コンサート】2024年2月1日

櫻坂46 1期生、小林由依の卒業コンサートが1月31日と2月1日に代々木第一体育館で開催されました。


千秋楽にあたる2月1日のDAY2公演に参戦してきました。

◾️〈DAY2 セットリスト〉


01 Overture
02 ジャマイカビール
03 摩擦係数
04 断絶
05 五月雨よ
06 最終の地下鉄に乗って
07 僕たちの La vie en rose
08 危なっかしい計画
09 Anthem time
10 Buddies
11 偶然の答え
12 桜月
13 Nobody’s fault
14 BAN
15 承認欲求
16 Start over!
17 隙間風よ
18 君がサヨナラ言えたって…
19 タイムマシーンでYeah!
20 櫻坂の詩

セットリストはこちらからも確認できます。
<DAY1>

<DAY2>

◾️この流れが作れるから、櫻坂46なのだ・・・!


1期生から3期生までそれぞれに見せ場があり、グループとしての見せ方にも自信と誇りが垣間見える、良いライブでした。前半はパフォーマンスの一つ一つを丁寧に、手本をなぞるように華麗に見せた上で、中盤に欅坂時代の「危なっかしい計画」を放り込んで「ブチ上げ」ポイントを作り、後半から終盤にかけて強烈なシングル表題曲を次々に畳み掛ける、櫻坂46のパフォーマンス集団としての気迫を感じることができました。

朝、太陽が昇ってさんさんと光が降り注ぎ、気がつけば西の空に傾き、沈んでいく。夜の闇が迫る中、かがり火を皆んなで持ち寄って踊り続ける。例えるならそんなライブでした。

特に「Nobody's fault」から「BAN」へ、ペンライトで真っ赤に染まった会場の熱気も冷めやらぬうちに「承認欲求」へ。僕は1階のスタンド席中段から見ていましたが、会場というよりもステージ上が異様な雰囲気に包まれていくのが見えるようでした。髪を振り乱しながら、猛ったように踊り狂う森田ひかるの姿は、恐ろしいほど美しい。

そこから「Strat over!」へ。会場全体が一つの生き物のようにうねり始め、脈を打つ。この曲は、センターの藤吉夏鈴と合わせて、グループの代表曲になっていくのだろうなと感じさせます。小さな体の内側に秘められた生々しい感情を、原色のままに壁に投げつけるような激しさ。握り拳で殴りつけ、叩きつけるような強烈な振り付けは他の楽曲と一線を画しているように思えます。メンバーが重なり合い、心臓のように脈打つ。そして、吹き出し花火に囲まれたセンターステージに飛び出した藤吉夏鈴と小林由依が、求め合うように、絡み合うように激しく踊る。濃厚で蠱惑的。よく見ると、泣いているようだ・・・。そこでようやく我にかえる、もう別れが近いのだと。

秀逸だったのが、本編ラストの「隙間風よ」です。小林由依最後のセンター曲なので、この曲が披露されるであろうことはライブの前から想像がついていました。それでも、「Start over!」からの流れが圧倒的に完璧でした。

ああ、これぞ!と思わせる・・・。この流れが作れるから、櫻坂46なのだ・・・!

獣を思わせる無骨な荒々しさから、流れるようなしなやかさへ。それでいて、根底で脈打つのは彼女たちの純粋無垢な心なのです。なんて美しいんだろう。「Start over!」で沸き立った激しい感情の行き場を「隙間風よ」が教えてくれている。「Overture」から2時間近く。ジェットコースターのように乱高下した感情がようやく落ち着いたところで、綺麗に本編が終わるのです。

アンコールはドレスに着替えた小林由依がソロ曲「君がサヨナラ言えたって…」を披露し(ちゃんとガッツリ踊ってくれるのです。ドレス姿なのに!)、メンバーが揃って(欠席が伝えられていた小池美波も、3期生の小田倉と的野も)全員で卒業セレモニーが行われました。

◾️「あの頃確かに存在した私たち」を「いま存在している私たち」に。

「欅坂は表現することのダンスが多かったんですけど、櫻坂は技術のダンスが多く感じます」

小林由依卒業インタビュー記事(日刊スポーツ)

2日間通じて、欅坂46時代の楽曲はそれぞれ1曲ずつしか披露されていません。DAY1では「風に吹かれても」、DAY2では「危なっかしい計画」。予想では他にも何曲か欅坂46時代の楽曲を披露すると思っていただけに、確かに意外でした。

彼女自身が語っているように、櫻坂がスキルやスピードで見せるダンスならば、欅坂は圧倒的に表現力で見せるダンスが特徴でした。それこそが欅坂を欅坂たらしめていた。彼女たちのパフォーマンスはときに言葉よりも雄弁で、ある時点で作詞家・秋元康の紡ぎ出す言葉を完全に超えていた。超えてしまったその先に、受け止めてくれるものは無かった。暗闇。喪失感。虚像である「僕」の不在。

いま思えば、欅坂46の8枚目シングル「黒い羊」が平手友梨奈センターの体制でリリースできた最後のシングルになったことは皮肉としか思えない。「黒い羊」のMVは、象徴的なオープニングとエンディングになっています。冒頭の花弁に囲まれた遺体は「僕」であり、それを見つめている「僕」がいて、救いを求めて「僕」は他者に手を差し伸べるが拒絶をもって返される。行き場を失った「僕」は花束を手に・・・。あのMV1本で欅坂は伝説になり、同時にそれは平手が演じる「僕」の葬送の儀式だったようにも思えます。これ以降、平手は気が抜けたように茫然自失の状態に陥り、グループ脱退につながっていきます。

それでもグループは続く。容赦なく幕は開く。

センター位置を誰が務めるかによって、本来一色であるはずの「黒」はいかようにも姿を変えました。THE LAST LIVEでこの曲のセンターを務め上げたのが小林由依であり、あの日の彼女の表情は忘れえぬものでした。

今回の卒業コンサートでは、ひょっとしたら「黒い羊」を現メンバーで再演してくれるのではないかと淡い期待を描いていましたが、千秋楽公演では〝埼玉の狂犬〟よろしく「危なっかしい計画」で文字通りに会場を〝ブチ上げ〟て、欅坂46時代を再演してくれました。分かりやすくて真っ直ぐ。表現はストレートに。表現者であり、同時にエンターテイナーだった欅坂46の真価を今一度教えてくれた気がしました。彼女なりの答えだったのかもしれません。

グループの改名、新生・櫻坂46の始動から約3年。欅坂時代のグループを経験していない3期生が加入し、今度発売される8thシングル「何歳(いくつ)の頃に戻りたいのか?」をもって、欅坂時代とシングルリリースの数で並ぶことになります。カップリング曲も含めると、複数日程のライブを自在に組めるだけの曲数が揃いました。

櫻坂46としての方向性やパフォーマンスの性格がほぼ定まり、「新参者」である3期生が選抜メンバーとしても遜色ない活躍ができるようになった今の櫻坂46の出した答えが今回のライブだったのではないかと思います。

その立役者の一人が小林由依だった。改名後、卒業を発表した1期生たちは卒業公演で欅坂の楽曲を複数、散りばめていました。それは昔を懐かしみたいとか、メモリアルとして披露しておきたいとか、そういった内向き思考ではなくて、「あの頃確かに存在した私たち」を「いま存在している私たち」に引き継ぐために絶対、必要な時間だった。

そしてバトンは確実に引き継がれました。

◾️過去の記事

どうしてか分からないですが、櫻坂46・欅坂46は、つい色々語りたくなります。それが魅力でもあります。

◾️会場内リポート

会場内です。


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巨大なフォトスポット
先日のアニラの衣装。めちゃくちゃ好きです。
FCブースで貰えたフォトカード
巨大なれなぁ
卒業記念フォトパネル

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