暖炉でタイムスリップ

Bonjour a tous!
今日も2足どころか5足ぐらいの草鞋でパリの荒野を突っ走る零細家内制手工業シロカネです!(笑)
ということで、今回のお仕事で面白いものを見つけましたよ。
使用していない大理石の暖炉(マントルピース)を取っ払って部屋のスペースを広げたいとのことですが、解体中暖炉の奥から隙間風を防ぐために埋めてあった新聞紙が出てきました。
撮影許可を取っていないのでイメージ写真ですが、これとほぼ同じタイプの立派な大理石製暖炉です。

解体するとこんな感じ。(こちらは実際の写真)

この奥に煙突から吹き込む風を塞ぐのに、新聞紙が詰め込んでありました。

傷んでいて広げるのが大変だったのですが、どうやら1975年のLe Figaroみたいです。

以前フローリングの裏に19世紀の大工の日記が出てきた、というニュースがありましたが、それほどのロマンは無いものの古い物を見つけるのはワクワクしますね。
個人的には1960年代の新聞紙だったり、一度は一軒家の屋根裏から1800年代の家計簿を見つけた事もあります。(確か卵が何livres、パンが何livresとか書いてあった気がするけど、livreはフランになる前に使われていた通貨単位で、1795年に廃止されていたはず…。家計簿はいつの時代だったんだろう?新しい単位に慣れないお婆さんが書いたものだったのかな?)
訂正:Livreはこの場合、おそらく重さの単位ですね。1livre = 500g

それでは、1975年にタイムスリップして見ていきましょう。
まず、求人広告。
工場建設に当たり、とても優秀な会計士とsecretaire de direction(日本語で言う重役秘書かな?)を募集しているようです。

こちらもおそらく秘書や会計士の求人広告ですが、イラストが怪しい…
アールヌーヴォー調のイラストで分かりにくいですが、なにやら淫靡な目つきの男がにやけながら女性を見つめています。
いまいち意図不明なイラストですね。新人秘書に何を期待していることやら。
女性のまんざらでもない笑顔が気になるところですが、応募しない方が良さそうです(笑)

次は住み込み家政婦の募集。
家政婦というか8歳の女の子と4歳の男の子のため、と書いてあるので、どちらかというとベビーシッターですね。
最低1年契約で、3か月はフランスのLa Côteという所、残りの滞在はレバノンで、ってどういう仕事?(笑)
食事つきで給料2,000フラン/月。私Shirokaneがフランスに来た20年ほど前で1フラン=20円ほどだから…40,000円!やっす!!

と思ったら、1975年7月7日当時のレートは1フラン=71円なので、全然違いましたね。

参考にしたレート推移のサイト、あらゆる時代の交換比率が見れて面白いのでリンクを貼っておきます。フランス語ですが…。


1フラン=71円ということは2,000 x 71 = 142,000円。これが安いのか高いのか分からないですが、これはあくまで対円レートの話。当時のフランスの最低賃金が分からないと見えてこないですね。

お次はTelex?なんでしょう?テレックス。

Shirokaneがフランスに来たころは、ミニテルとかいうフランス独自のインターネットの前身みたいな謎のシステムがありましたが、テレックスが何かは私も知らないので調べてみました。どうやらFaxが無い時代の通信手段だったそうです。
このようなオルガンとタイプライターと電話が合体したようないかつい機械を使ってメッセージを送るらしい…70年代恐るべし!

(↑テレックスの写真はWikipediaより)

テレックスについての記事もありました。

いやはや、大変な時代です。ご苦労様…。

次は不動産欄。

一番上、Centre de 何とか、って商業施設かな?
それにしてもマドレンヌ地区250㎡が150,000フランとありますが、マドレンヌといえば現在はフォションとか高級店が並ぶ、泣く子も黙る超シックな場所じゃないですか!そこの250㎡が当時のレートで150,000 x 71 = 1,065万円…。
大特価です!!買います買います即金で!この値段ならそこら中買い占めまくってエコノミックアニマルの先駆けに!
…と言いたいところですが、私Shirokaneは77年生まれ、タッチの差で生まれていません。残念!
しかし電話番号がどれもこれも7ケタで、見慣れないなあ…。

それならば、こちらいかがでしょう?84㎡の1フロア1軒の分譲アパート。

う~ん、でもこのころの近代建築って粗悪なコンクリート造だからやめておこうかな。ってどっちにしろ生まれてまへんねん(笑)

他には車が抽選で当たったり。(「この写真よく見て!車が当たるかもよ。」って書いてある…。でも、当たったところでこの頃のフランス車なんて、排気ガスもくもくの走る焼却炉だったろうなあ…。)

暴風雨で、ミネラルウォーターで有名なVittelの住宅400棟が被害にあったり。

アポロ打ち上げ8日前だったり。

アポロ!?
調べたら1975年7月7日の8日後は、アメリカとソビエトが初めて共同で宇宙船を飛ばした日だそうです。
冷戦中にこんなことしてたんですね…。

とまあ新聞一つでずいぶん遊べました。しかし不動産は夢がありましたね~。
まあ、あくせくまじめに働いても、住む家さえなかなか買えない今の世の中は少しおかしいと思いますが…。
ではまた!

(Shirokane)

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Shirokane Kobo

フランスの工房で銀細工を一つ一つ丹念に作り上げています。 https://shirokanekb.thebase.in

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