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ソウル市の「メタバース・ソウル」と輸出産業としてのスマートシティ

 2022年、スペインで開催された 「Smart City EXPO World Congress」は、スマートシティの展示会では、世界最大規模で開催されており、2022年も11月にバルセロナで開催されました。
パンデミックの影響もあり、2019年から3年ぶりにリアル開催になりました。世界中が待ちかねていたのか、開催規模も2019年に迫るように各国から自治体、企業、来場者が集まりました。

 私が2019年に行った時の印象では、日本政府のブースはなく、NTTなどの幾つかの企業出店者や自治体が参加していいましたが、日本からの来場者も少なかい印象でした。
2022年は、初めて日本としての公式ブースとして参加し、そのブースに東京都、横浜市、京都市やスマートシティ関連ベンダーが参加していました。
日本からの来場者も従来になく多かった印象ですが、それ以上に遥かに多かったのが韓国でした。
 韓国政府のブースをはじめ、ソウル市、仁川市、大邱市などの主な自治体は、独立ブースを持ち、その参加意欲と熱量は東アジアのスマートシティ先進国としての自信を感じるようでした。(中国は不参加でした)
それを裏付けるように、2022年のSmartCity賞を受賞したのはソウル市でした。
ソウル市は、市民向けの高度な電子行政、32,000台以上のCCTVでマネジメントされている公共交通機関(TOPIS)、ソウル市長室に設置されている「デジタル市長室」、ソウル市内の公共エリアで整備されている公衆Wi-Fiや、市民が24時間対話できるスマートボールに設置されたマイクとスピーカーなど、魅力的なサービスが実現されています。
そのソウル市の新たな取り組みとして、「メタバース・ソウル」で、2022年に市民参加の試験稼働が始まり、2026年の公開に向けて開発しています。

 韓国は、デジタルニューディールと言われる、韓国の中での第4次産業革命で、デジタルツインに取り組んでいます。
その取り組みを更に進化させるように、ソウルではメタバースソウルに着手しています。
このArirangのニュースのリンクは、Smart City EXPO World Congress2022の模様とメタバースソウルの取り組みについて報道しています。
市民がアバターとして、デジタル上のソウル市に参加をして、様々な市民サービスやデジタルで提供される活動を体現します。
議会や公聴会への参加や、カウンセリングはもとより、商業活動への展開も考慮されているなど、デジタル空間内のサービス等がリアル空間と連動をしたように見えますが、今後の詳細な情報を期待しています。
リンクのビデオは、メタバースソウルの市庁前広場とソウル市庁舎内の模様が紹介されています。
しかし、このArirangのニュース報道ビデオで重要な点は、韓国のSmartCityが輸出産業として世界から認知され、注目をされているということでしょう。
日本と韓国のスマートシティ開発のアプローチは、真逆と思えるほどに異なるの印象がありますが、隣国の取り組みの優れた点、または課題となっている点から学ぶ事が多いと感じています。

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