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(韓国語)連結語尾で終わる文 【-고】 #32

 今回は連結語尾で終わる文で -는데/ㄴ데 なみに活躍する -고 について取り上げたいと思います。-고 の用法は以下のように整理できるでしょう:

① 追加コメント、質問
② 命令
③ 反語文 + 고
④ 意外性 (다 + -고)
⑤ 慣用的な言い回し

 なお、引用を含む "한다体 + 고" (例:내가 간다고!「ぼくが行くって!」) も -고 で終わってはいますが、あくまでこの場合は引用のためのマーカーと見て、またあとで取り上げたいと思います。

① 追加コメント、質問

 これが一番スタンダードな -고 の用法です。日本語でもなにか言ったあとに「あとこれも〜だし」のように追加コメントを言うことはありますが、そのような場合に -고 が使用されます。ただ、日本語と異なるのは、韓国語の場合、質問でも -고 で終わる文が使えるということです。この
 次の例では、"잠은 잘 잤어?"(よく眠れた?)と聞いたうえで、追加の質問をしているので、同じ形を繰り返して "챙겨 먹었?" と聞かず "챙겨 먹었?" と聞いています。

(1)
웅: 알았어, 퇴근 중이야?‎
연수: 응, 너는? 집이야?‎ 잠은? 잠은 잘 잤어? 밥은? 밥은 잘 챙겨 먹었고?
ウン:わかったよ。帰るとこ?
ヨンス:うん、そっちは?家?よく眠れた?ご飯は?ご飯はちゃんと食べたの

(그 해 우리는 ep. 16)

 この言い方は理解には全く問題ないのですが、意外と日本語話者の場合に使いこなせないことが多いので、ある程度韓国語ができるようになってきたら取り入れてみるのもよいでしょう。

② 命令

 -고 はまた命令に使われることもあります。さきほどの①と似ていますが、追加で命令したり、次になにか別のことを命令するような場面で用いられます。

(2)[結婚式場でカメラマンが]
마지막으로 한 번만 더‎ 활짝 웃으시고, 네‎, 하나, 둘, 셋!‎ 부케 받으실 분 나와 주세요.
最後にもう一度ニッコリ笑ってください。はいチーズ!ブーケをキャッチされる方は出てきてください。

(기상청 사람들 ep. 2)

③ 反語文 + 고

 反語文に倒置されるような形で -고 が用いられることがあり、だいたい「〜しないの?(=しなさいよ)、…もしないで」この「…もしないで」の部分で -고 が用いられます。例を見た方がはやいですね。
 この例で "안 들어오고 뭐 해?" と言っても同じですが、特に相手を非難したり意外に思っている場合によくこの語順で言います。

(3)
혜지: 신 선임님, 오셨어요? 신 선임님 오셨어요‎.
태무: 늦었네요, 신하리 씨?
여 부장: 뭐 해, 안 들어오고?
ヘジ:先輩、おかえりなさい。シン・ハリさん戻られました。
テム:遅かったですね、シン・ハリさん?
ヨ部長:なにしてるの、入って来ないで

(사내 맞선 ep. 5)

④ 意外性 (다 + -고)

 特に "다" のあとに -고 を続けて、話し手が意外だと思っていることを表す用法があります。ここで「男」は "전화를 주시"(電話をすっかりくださって)と言っているわけですが、"다 + 고" で「電話をくれる」という行為が意外であることを表しています。

(4)
남자: 어, 차은호, 웬일이냐 작가님께서 전화를 다 주시고.
은호: 어, 잘 지내지? 뭐 좀 물어볼 게 있어서 너 다니는 회사가 헤드헌팅업체랬지?‎
남자: 왜, 너 회사 옮기게? 어디로 옮기게?
男:おお、ウンホ、どうしたんだ作家様が電話だなんて
ウンホ:うん、変わりないだろ?ちょっと聞きたいことがあるんだけど、お前の会社がヘッドハンティング系だって言ってたよな?
男:そうだけど、転職でもするのか?どこに?

(로맨스는 별책부록 ep. 12)

 ちなみに、最後のセリフ "옮기?" は前回取り上げた -게 で終わる文の用法のうちの一つ、② 相手の意図を尋ねる用法です。

⑤ 慣用的な言い回し

 -고 で終わる文には、ある程度まとまった単位で用いられる慣用的な言い回しがあります。
 一つは "~때는 언제고" の形で、「〜するって言ってたじゃないか、話が違うぞ」という意味を表す用法です。この例では「ニコニコしていたのはいつのことだったか、今では全然そんなことないな!」ということを言っているわけです。

(5)
단아: 안 웃겨? 나 보기만 해도 쪼갤 땐 언제고?‎
영화: 안 웃는 것도 내 자유라서.
タナ:おもしろくない?わたしを見るだけでもニコニコしてたのに
ヨンファ:笑わないのもぼくの自由なので。
※ ここで 쪼개다 は「割る、裂く」の意味ではなく「ニコニコ、ニタニタする」という意味。

(런 온 ep. 11)

 もう一つ慣用的な言い回しで "-를/을 뭘로 보고"(〜をなんだと思ってるんだ)と、相手を非難する言い方があります。よく用いられるのは "사람을/나를 뭘로 보고" あたりです。この言い回しはこのあとに "이러세요?"(こんなことされるんですか?)などさらに文が続くこともあります。

(6)
사람을 이렇게 바보로 만들어요?‎ 왜 나만 빼놓고 일을 진행한 거예요? 사람을 뭘로 보고?
人を馬鹿にするにもほどがありますよ。なんでわたし抜きでことを進めるんですか?人のことをなんだと思ってるんです

(작은 아씨들 ep. 10)

 
 さて、今回は -고 で終わる文を見てきました。次回は -니까, -(아/어)서, -더니, -면서 を一気に取り上げたいと思います。


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