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「こ」と「ば」とわたし


嘘じゃない。信じてくれ。

そう、嘘じゃない。

だけど、本当でもない。

この曖昧な言葉は、誰のものなのんだろう。


誰かの言葉を使うといつも思う。

嘘ではない、が、本当でもない。

それを考えたのは本当に自分なのか?


過去を後から言語化しても思う。

その当時のまんまではない、が、その当時以外を表したものでもない。

今のわたしが勝手に作り変えてしまったのではないか?


自分の話をしていても思う。

自分じゃない、でも、自分以外の人でもない。

一体自分とはなんなんだ?


私にぴったりの言葉と考えなんて、そう多くはない。

だから時々、自分が本当に心の底から思っていることを言葉にできたとき、涙が溢れる。

その言葉はいつまでも心に残る。

多分、そういう言葉だけが、本物だ。

嘘偽りない、わたしだ。


きっと喋りすぎなんだ。

喋ることに本当のわたしが追いついてないから、人の言葉を使って取り繕う。

自分の言葉を深く繋げていけばいいのに、話を膨らませるために言葉は横につながっていく。

それは嘘じゃないけど、借り物だから本当でもない。


言葉と自分の心の間にある小さな誤差。

これはきっと、まだまだわたしが未熟であることを表している。


でも今日も、わたしの言葉は横に続いていく。

広く広く。次から次へと。

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