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はじめてのHOUSE-ST1 第五回 金物・材料

 HOUSE-ST1に限らず、木造の構造計算の面倒な部分に、使う材料や金物が多い事があります。これって構造屋さんだったら楽に思うんじゃ・・・と思うかもしれませんが違います!鉄筋コンクリートなんてほとんど意識しなくてもいいし、鉄骨も同様です。木造が一番面倒です。異論は認めません!

 さてHOUSE-ST1でも同様で、基本的な部材は登録されているものの、実務で使うのは到底無理です。自分で登録しましょう。

 まず、木材から。「標準部材・リスト」をクリックし、「部材材質」をクリックします。

 こんな感じで、4種類の無等級の無垢材が登録されています。これだけで設計できることは稀なので(地方で地元大工さんがオーソドックスな木造2階建てを建てるならあるかもしれません)、自分で使う木材を登録しましょう。

 HOUSE-ST1にはk-DBという独自のデータベースがあり、そこから登録することができます。もちろん表などから手打ちで登録しても良いです。今回は、k-DBを使って、柱で一番良く利用されていたスプルースの集成材を登録してみましょう。k-DBからインポートをクリックすると次の画面が出てきます。

 はい。データベースから項目を選択してインポートを押せばきちんと数値が読み込まれます。

 構成は、構造用集成材か製材かです。集成材か無垢材かで選択すればOKです。今回は集成材なので、構造用集成材を選びます。

 次に材質種別。告示にある4種類から選びます。柱は通常、X方向Y方向からの力がかかっても同じ強さである「同一等級構成集成材」を選びます。

 材料名称は、E~F~というお馴染みの表記です。Eはヤング係数、Fは曲げ強度です。大きければ大きいほど強いですが、流通していないものもあります。流通しているかどうかは、特にウッドショックご時世下は注意が必要です。きちんと調べてから選びましょう。今回は従来から圧倒的に利用されていたE95F315(4)を選びます。

 次に樹種種別ですが、告示樹種しか使えないので一択です。次に樹種名称ですすが、今回はスプルースなのでスプルースを選択します。

 最後に強度方向です。集成材は向きによって強度が異なります。通常は積層方向でインポートします。

 こんな感じになります。他に梁用にレッドウッドやベイマツの集成材も登録しておくと良いでしょう。今はほとんどありませんが、LVLも使えるようになると嬉しいです。

 だいたい、こんな感じのものができるでしょうか?名称はわかりやすい名前を付けましょう。規格も書いておくと親切です(上では抜けています)。集成材の日本農林規格(JASとか)記入しておけば良いでしょう。等級は私の場合無等級とか対象異等級などを書いていますが、E95-F270などを書く人もいます。そのあたりは、計算内容には関係ないので自分や審査者がわかるように書けば良いと思います。

 次は、接合部です。接合部のうち、筋かい(金物)は標準で良いのですがわかりにくかったら、次のように改造しても良いでしょう。以下は有料エリアです。

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