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危険!安価な中古木造3階建ては購入しないほうが良いです。

職業柄、中古の木造3階建ての売買及び購入後の相談が多いです。購入する方も不安になりながらも、安価なので惹かれるのでしょう。しかし都内の値頃感のある中古木造3階建てで、いままで相談受けた物件で良かった物件は0です。倒壊の危険すらあるものがあります。ここでは相談事例と結果をプライバシーに配慮しながら書かせていただきます。

A様邸

 子どもも出来たと言うことで戸建て住宅を探していたところ安価な木造3階建てに遭遇。駅からも近く周辺環境も良好なので購入しました。ただ、構造計算書はなく住んでから振動が多いので、ネットを通じて相談がありました。診断してみると1階が非常に耐震性が低い物の、比較的安価に補強出来そうだったので、補強設計して工事を行いました。工事後、歩いてみても明らかなくらい揺れがおさまったそうです。地震が来る前に補強ができて良かったと満足されていました。

B様邸

 購入前に見て欲しいと言うことで、有料で耐震診断をおこないました。場所も物件も気に入っていたのですが、なんとなく気になったそうでリフォーム予定の工務店を通して連絡が来ました。耐震診断を行ったところ、床がかなり下がっている他、雨漏りもいたる所で発見できました。また検査済証を取っている平成後期の物件でしたが、見えないところをかなり変更していて耐震性が著しく少なくなっていました。どうやら不動産屋も一部形が違うことは気がついていたようで、価格は安めにしていたようです。お客様は私の調査書を見た上で、購入を見送りました。正直かなり悪い状態でしたので避けて良かったと思います。

C様邸

 図面のみの相談です。図面と建物の形が違う、検査済証がないことを承知の上で購入。周辺相場から考えると安価だったそうです。外見はキレイなので内部だけリフォームして使おうとリフォーム会社に相談。リフォーム会社も不審に思って私に相談してきた案件です。木造3階建ての場合、ビルトインガレージであっても建物前面に耐力壁を設置しなければならないのですが、なんと450幅の石膏ボードの耐力壁のみ。建築年月日をみると阪神淡路大震災の直後。偏心率の計算も添付されていませんでした。そのうえ形も違い、見るからに耐震性は0。リフォーム会社も補強したほうが良いとの見解でしたが、それでは済みそうにありません。打つ手なしなので、お断りさせて頂きました。

D様邸

地元でも有名な工務店の木造3階建てということと、比較的安価だったので、雨漏りがあることは理解した上で購入しました。しかしリフォーム会社の方が、何か危険を察知し私に相談してきました。サーモグラフィーを当てたところ無反応。つまり全体が無事か全体が雨漏りしているかどちらか・・・なのですが、全体が雨漏りしているほうでした。外壁をすべて剥がしての大工事となりました。幸い、有名な工務店に知らせたところ、かなりの部分の工事金額の補填を行ってくれました。木造3階建ての雨漏りは雨漏りから時間が経っていると致命傷になっていることが多く、たかが雨漏りと思わないほうが良いです。

他にもいろいろありますが、

・検査済証がない
・雨漏りしている
・図面と現場が違う
・価格が相場より安い
・見た目キレイにリフォームされている

などは、危険な木造3階建てのケースが多いです。特に価格が安く見た目が綺麗な物件は注意が必要です。購入を決める前に有料で検査してくれる業者もありますので、不安な場合はお金をかけても相談したほうが賢明です。

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