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木造の扁平柱の計算

木造構造計算で、柱サイズが足りないとき、10.5㎝角なら12㎝角にすることがあると思いますが、意外とルールを知らない方がいるので整理しておきます。

柱のNGの理由が土台めり込みの場合、柱サイズアップしたら、土台のサイズもアップしましょう。理由はわかりますよね?12㎝角柱を10.5㎝土台に載せると、柱がはみ出しますよね?これでは駄目ですよ・・・。

そこで、10.5㎝×12㎝の柱を・・・という方がいますが、これも注意が必要です。無垢材や同一等級の集成材なら問題はないのですが、このような扁平材は、梁材を流用することが多く、E105F300のような対称異等級集成材を使うことがあります。対称異等級集成材は、梁材に使われ、断面方向によって大幅に強度が異なります。なので弱軸はかなり弱くなります。もしめり込みではなく、曲げや軸力でNGになっているのであれば、この選択は絶対すべきではありません。

E105F300の対称異等級集成材の曲げは本来30N/㎜2程度です。しかし幅方向の場合21.6N/㎜2くらいに落ちます。この数値はスギの無等級材の曲げ(22.2N/㎜2)よりも落ちるのです。つまり強度を出すために選択したのに、逆に弱くなった!ということがあり得るのです。もちろん方向によっては強くなるわけですが、小断面では、計算も面倒ですし、できるだけ使いたくないですね。

私の自宅ではE105F300の105×210の柱を使っています。これは弱軸方向にはほとんど力がかからず、7.28mのトラスを受ける柱の安定性を狙った設計になっています。なので使っちゃいけないという意味では無く、使い方を考えて使うべき、ということです。

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