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危険な木造の間取りの例(1)

 新耐震だと安心しているそこのアナタ!自分の家がまさか・・・ということがないことを祈りますが、これから代表的な耐震性の薄い間取りの例を紹介していこうと思います。

第1回 北側玄関に多い例
第2回 2階建ての壁なしビルトインガレージ
第3回 階段が短辺にある建物
第4回 ビルトインガレージの外壁線が2階とずれている

第1回 北側玄関に多い例

第1回 北側玄関に多い例

 これは、昭和53年~平成3年あたりに多い間取りです。特に新耐震になったころが多いです。北玄関で南側にLDKと和室を備えた家です。主に住居地域の面積に余裕がある建売に多いです。4LDKとして家族向けに多かったです。この間取りの欠点は、玄関と階段が並んでいて、この部分に耐震性が期待できないことです。またこの時代は対面キッチンでないため、キッチン前に大きな窓や出窓があります。また階段の西側にはトイレ、洗面、浴室と小さな部屋が並び、それぞれ通風の為に窓を設けています。似たような間取りに住んでいる方は多いかと思います。

 この間取りの欠点は、北側に横方向の壁が少ない事。そして壁量計算されていないものが多い事です。今回の事例は北側壁面にまったく耐力壁を入れる場所がありません。通常910㎜の壁が最低でも2枚程度は必要です。既に耐震的に気を使っていないことが明白なのです。しかもこの間取り、意外と一般的なので、数多く設計されています。中には洗面室の南側、リビングと廊下の間の壁に筋違いを入れて、いるものがありますが、それでも危険な場合が多いです。昭和後期から平成前期の阪神大震災前には、この手の間取りで筋かいが入っていないものが多くあります。また基礎も無筋コンクリートのものも多く、金物もほとんど入っていないです。従って耐震診断すると非常に評点が低いし、当然耐震性も低いのです。評点は0.2~0.3が多かったです。旧耐震の建物より悪いものが結構ありました。

 住んでいると、当たり前の風景なので、これが危険と感じない人が多いようで、指摘されてようやくわかることが多いので困りものです。またこのプランは壁を新設しなければならないので、補強金額が多くかかる可能性が高いのも悩ましいです。しかし耐震的に弱いのは明らかです。耐震診断をしてもらって、弱点を精査し、リフォームがてらに耐震補強を行った方がよいでしょう。


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