怒る効力と叱る効力

育児について語るにあたって、「怒るのではなく叱るのだ」という話をよく耳にする。確かにその通りだと感じたし、今でもそれは正しいと思っている。

しかし、「怒る」ことは本当に悪いことなのだろうか?

昔、父と母が怒り方について話しているのを聞いた。確か父が長男をひどく怒った時だったと思う。(暴力をふるったとかではなく、普通に怒鳴っただけ。いつもはそんなことはなく優しいのだが、本当に腹が立ったのだろう)

父は「おれは〇〇を叱ってるんじゃなくて怒ってるんだ」と言った。

確かに怒ると叱るは違うし、叱る事の方が大切だ。「怒る」というのはこちら側の感情であって、子どもにわからせることとは違う。
しかし、人を怒らせることをしてはいけない。自分が何をしたら怒られるのか、この人はどんなことで怒るのか、それを知ることも必要だと言うのだ。
相手に対して失礼な態度をとったから怒らせてしまった、次からはしてはいけない、ということを学ばなくてはいけないと。

私はそれまで「怒る」ことは悪いことだと思っていたが、父のその話を聞いて少し考え方が変わった。もちろん理不尽だったり自分の都合だけで怒るのはいただけないが、こちらの感情を素直にぶつけることもときには必要なことなのかもしれないと思うようになった。確かに子ども同士なら嫌なことがあれば相手に対して怒るだろうし、親だからといってそれをしてはいけない理由はないと思う。相手とのコミュニケーションの中で、そうしたことを学んでいく。

叱るとは相手のために言動を改善させようとするために行うこと。
怒るとは自分が腹を立てていることをわかってもらうために行うこと。

怒るというのは何も相手を貶したり傷つけようとする行為ではない。ただ自分の感情を伝えようとして(思い余って)声を荒げてしまうのだ。(ときにはいやがらせなどであえてそのような態度をとる人もいるが)
最近なんだか怒ってはいけない風潮を感じるが、怒ること=悪ではないと私は思う。怒ってはいけないとストレスをためながら育児をするのも逆に双方に悪影響を及ぼすのではないだろうか。
もちろん暴力や恐怖を植え付けることは子どもを傷つけることであり一番やってはいけないことだ。そうではなく、「私はこういうことで怒っているんだよ」ということがちゃんと子どもに伝われば、それはちゃんと育てていると言えるのではないだろうか。


さて、我が家の問題はまた別にある。
怒られること、叱られることをしてしまうのが、子どもの年齢や性格によるものなのか、発達障害によるものなのか、それに対してどのように叱ればよいのかがわからない。

私(22)の年の離れた弟、うちの長男(小6)はADS(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥多動性障害)どちらともグレーゾーンだと言われている。(私は直接お医者さんの話を聞いたことはなく、母から話を聞いている)

ADSとは
いわゆる空気を読むや相手の気持ちを読むことが苦手な「社会性」、相手の発言を即時に正しく理解したり、自分の思いを細かくわかりやすく伝えることが難しい「コミュニケーション面」、そして次に起こる出来事を想像することが苦手で自分の安心したルール・環境に過度に固執しやすい「想像・こだわり」といった特徴があります。
参考: http://www.kaien-lab.com/aboutdd/definition/

見ている限りあまりひどく感じたことはないが、ときどき「ああ、こういうところなのかな?」と思うことがある。

ADHDとは
年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。 また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm

これに関しても衝動性や多動性はわかりにくいが、不注意がとくに目立つ。

小6ともなれば怒られることもたくさんあるだろうし、何度注意しても改善されないというのは一般的な子どもの年齢や性格的にもよくあると思う。
しかしうちの長男の場合、それが発達障害によるものなのかということも気にかけることになり、どのように注意すればよいのかがまだまだわからない。

そんなときに出会ったソウタチカさんのnoteはとても勉強になった。

そして、親子関係を第三者的にみてみるとまたいろいろなことがわかってくる。叱る母といまいち反省していないようにみえる長男、私はこれを毎日隣で見ているわけで、「そんな怒り方じゃ効果ないと思うけど・・・」という場面にもよく出くわす。そんなときはちょっと母に助言してみたりもするのだが、うーん、こちらもわかっているのかいないのか…。

私が最良の答えを出せるわけでもないし、育児に”正しい”ことはないのかもしれないが、このような体験談や経験してきた中で培った知恵などはとても参考になるし大変勉強になる。

私も病気をもって生まれてきて普通の子どもよりかなり特殊に生きてきた。その頃はまだインターネットもここまで充実しておらず、何も情報がなくて困ったと言っていた。こうして誰もが情報発信できるようになったことで、出会えなかったはずの人たちが繋がれる、情報を共有できるということはとても素晴らしいことだと思う。

親子ともに(家族全員)まだまだ知識不足で手探りの状態だけど、彼には少しでも良い環境をつくってあげたい。




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