しろぐ

埼玉・飯能の音楽創造スタジオX-jamの制作プロデューサーのnote。音楽コンサートを…

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埼玉・飯能の音楽創造スタジオX-jamの制作プロデューサーのnote。音楽コンサートを中心とした舞台企画制作の他、ドラマレビュー執筆なども行なっている。しろぐ http://shilog.press/

マガジン

  • 私と沖縄

  • 私の本棚

    とにかく乱読、雑食、斜め読み。過去のブックレビューも発掘、収録予定。

  • X-jamインタビュー

    X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。 記事はX-jamのページにリンクしています。

  • コロナと生きる2020年の日記

    図らずも、2020年は大変な年になってしまった。これから何が起こるのか、何を感じるのか、ただただ残しておきたいと思いました。せっかく、生まれて初めての経験を世界中でしているのだから。前向きなこともネガティブな気持ちも、残しておくとても個人的な日記です。

  • 飯能で暮らす

    私が暮らす埼玉・飯能の場所やお店や人のこと。 ただただ暮らして感じることも。

最近の記事

私の沖縄ノートのきれはしvol.2 [1980年 父と昭和]

1980年 父と昭和 「お父さんはパスポートを持って日本にきたんだぞ。沖縄はお前が生まれるちょっと前まで、アメリカだったんだぞ。お金はドルだったし、車も右側通行だったんだぞ」 父は、生粋のウチナーンチュである。沖縄本島で戦争中に生まれ、母に女手一つで育てられ、高校卒業後、集団就職で1950年代の終わりに本土にやってきた。東京で秋田から上京していた母と出会い、結婚した。私と5歳下の弟の2人の子どもをもうけたものの、私が10歳のとき、母と離婚。父は家を出た。 私が父と再会し

    • 私の沖縄ノートのきれはしvol.1 [2021年 首里城の御庭の前]

      2021年 首里城の御庭の前 2021年10月、7年ぶりに訪ねた沖縄は、静かだった。 那覇の国際通りは、緊急事態宣言が解除されてもまだ休業している飲食店も多く、以前なら数十メートルおきに声をかけてくる客引きや陽気なタクシーの運ちゃんにも(「ワンメーターでも乗っていきなよ」にいつも笑ってしまう)、道端で飲みながら気軽に話しかけてくるオジーたちにも、マスク姿の私は見えていないみたい。透明人間にでもなった気分だ。 その奇妙な静けさは、台風がいろんなものをなぎ倒して去っていった後のよ

      • 「海をあげる」から渡されたバトン

        なんとも優しいタイトルだ。 青が基調の装丁、ページをめくるとおだやかな目次がならぶ。 ゆとりのある文字組みで、幼い娘さんの微笑ましいエピソードから始まる。 そのソフトさからは、ほっこりとおだやかな日常エッセイが始まるように思われるが、私はわずか20ページで涙が止まらなくなり、一度本を閉じた。 その後に続く本編の重さを考えれば、それは最良の選択だったと読み終えた今、思うのだが。 本文つづき

        • X-jamインタビューVol.1 子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を 二本松はじめさん

          X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。 お客様 二本松はじめさん(つながりあそび・うた研究所所長)          宮島泰子さん(つながりあそび・うた研究所メンバー) 聞き手 城間優子(X-jam制作プロデューサー) コーヒー担当 シモシュ(X-jam代表) 二本松 久しぶりだね。もうエアコンつけてる時期なんだ ———いつも夏はスタジオには来ない

        私の沖縄ノートのきれはしvol.2 [1980年 父と昭和]

        • 私の沖縄ノートのきれはしvol.1 [2021年 首里城の御庭の前]

        • 「海をあげる」から渡されたバトン

        • X-jamインタビューVol.1 子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を 二本松はじめさん

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        • 私と沖縄
          3本
        • 私の本棚
          8本
        • X-jamインタビュー
          4本
        • コロナと生きる2020年の日記
          31本
        • 飯能で暮らす
          5本
        • 英語字幕で楽しむドラマ・映画レビュー
          5本

        記事

          X-jamインタビューVol.2 愛すべき人を演じて:俳優石黒寛さん

          X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。 名古屋在住の脚本家麻創けい子さんと、俳優石黒寛さんが、X-jamスタジオに来てくださいました。麻創さんは演劇やラジオドラマの脚本家として活躍しながら、ラジオドラマ風舞台「時代横町」(ひと組)脚本、演出を務め、20年にわたるシリーズ作品として上演。石黒寛さんは、ひと組の事務局を務めながら、ご自身の劇団「はぐはぐ⭐︎カ

          X-jamインタビューVol.2 愛すべき人を演じて:俳優石黒寛さん

          X-jamインタビューVol.3芝居をつくることはチームをつくること:脚本家・演出家麻創けい子さん

          X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。 名古屋在住の脚本家麻創けい子さんと、俳優石黒寛さんが、X-jamスタジオに来てくださいました。麻創さんは演劇やラジオドラマの脚本家として活躍しながら、ラジオドラマ風舞台「時代横町」(ひと組)脚本、演出を務め、20年にわたるシリーズ作品として上演。石黒寛さんは、ひと組の事務局を務めながら、ご自身の劇団「はぐはぐ⭐︎カ

          X-jamインタビューVol.3芝居をつくることはチームをつくること:脚本家・演出家麻創けい子さん

          X-jamインタビューVOL.4 つくること、残すこと、伝えること 沖縄の作曲家:東外門清順さん

          X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。 沖縄で作曲活動をしている東外門清順(あがりふかじょうせいじゅん)さんにお話をうかがいました。沖縄で人気のお笑いキャラクター「護得久栄昇」さんに楽曲を書き下ろしている作曲家で、普段はテレビ放送局で働きながらペンネームで作曲活動をしています。そして実はこの方、シモシュの音楽大学時代の同級生。今回、私がお話をお聞きしたい

          X-jamインタビューVOL.4 つくること、残すこと、伝えること 沖縄の作曲家:東外門清順さん

          近況、そして自サイトへの移行

          noteでしばらく日記を綴って来ましたが、昨年夏以降、あまりの慌ただしさ(延期したものが一気に押し寄せる)と、新たな対策や助成金事務の多さで、少々息切れをしていました。 その中で昨年新たに始めたのが、インタビュー企画。 コロナの時期に考えていた取り組みのひとつで、舞台に関わる人たちにこの時期インタビューをしたいというのがありました。 何を考えてこの時期を過ごし、どうやってこの状況の中でアートと向き合っているのか、今しか聞けないことをアーカイブとして残しておきたいという試み

          近況、そして自サイトへの移行

          慌ただしくなったのに、コロナは終わってない

          コロナと生きる2020年の日記。だいたい私は忙しくなると日記を書かなくなるので、この日記を自然と書かなくなった頃には、コロナが終わっているのだろうな〜と呑気にかまえていたのだけれど、残念。日記が途切れたのに、コロナは終わっていない。 6月に入り、延期された公演の再調整が同時多発的に始まり、どのような実施が可能かというガイドラインを調べて対策を考えること、秋以降の事業を再開するための助成金や補助金のこと、遅れに遅れている来年の企画のための宣伝活動、そして、再開が少しずつ始まっ

          慌ただしくなったのに、コロナは終わってない

          戻りたいのは、人間らしく生きる場所を制限して、人間らしくいられない場所を野放しにする社会じゃない

          緊急事態宣言が開けて、周りが一気に賑やかになり始めて。 駅も、道路も、施設も、「え!?」と思うような人混みに、自分の意識の変化が追いつきません。 もうちょっと、ゆっくり体制整えないとまずいんじゃないかなー? 一気に「経済優先」に戻ってしまったようで、怖いです。 コロナと生きることになる今後も、自分の行動指針を決めていくときに、私は、「人間として大切なこと」を大事にしていきたい。 と考えると、「人と会って話す」「一緒にご飯食べる」「一緒に笑う」「一緒に何かを作ったり体験し

          戻りたいのは、人間らしく生きる場所を制限して、人間らしくいられない場所を野放しにする社会じゃない

          生の音に号泣した話

          緊急事態宣言中は、うちのX-jam Studioも基本的にレコーディングもリハーサルもストップしていて、私も打ち合わせ以外はしばらく自宅での仕事だったので、今月、ようやく一つ、音楽リハーサルを行いました。 マリンバ奏者の方のソロ。 仲良くさせてもらってるので、もちろん過去に何度かステージでの演奏を聴いたことがあるし、緊急事態宣言前もリハーサルをしていたので、特に目新しいことはないはず。 と思っていたのに、久々に生の音を聴いたら、気づいたら私号泣してた(笑) 自分で自分

          生の音に号泣した話

          この町の財産

          ここ数ヶ月、時間はあれど、 自分たちの今後の舞台の仕事がどうなっていくのか、舞台芸術の役割とは、みたいなことをずっと考えていて、 せっかく地元飯能に引きこもっていても心はあさっての方向へ向いていました。 が、 やっと最近近所のカフェのテイクアウトを探したり、近所散歩したり(これはずっとやってるけど)、地域の問題が目に入ってくるようになってきました。 (今まで目に入ってたけど、心に入ってこないくらい自分に余裕がなかったのだと思います) 地元界隈で大問題になってる加治丘陵のメ

          この町の財産

          ひとつになるのではなく、個々のままでも手をつなげる連帯#WeNeedCulture

          #WeNeedCulture というプロジェクトがスタートしたのを見て、心底ほっとするというか、心が晴れた。 演劇、音楽、映画とそれぞれの支援を求めて別々に動いていた団体が、横のつながりを持って共通の要望書を国に提出した。官民一体で文化芸術復興基金をつくろうというのが、共通のメッセージだ。提出後の動画配信を見たが、俳優や舞台監督や照明家などの裏方、ライブハウスやミニシアターの経営者、あらゆる立場の人がメッセージを寄せていて、観客の声も丁寧に拾い上げていた。(俳優がツイッター

          ひとつになるのではなく、個々のままでも手をつなげる連帯#WeNeedCulture

          しいたけ大量収穫

          そういえば、先週一週間私のスマホの写真は、しいたけだらけになった(笑) 以前から英語の勉強兼ねて聴いているお気に入りのポッドキャスト、「バイリンガルニュース」のMichaelが、自粛期間中の生活にしいたけを育てていると言っていて、「めっちゃとれる」と、語っていたので、ついつい買ってしまった、しいたけ栽培キット。 育て方はいろいろな人が紹介しているので割愛しますが、いやーたのしかった! 一日一回霧吹きで水をあげるだけで、毎日ものすごい勢いで育ってゆきました。 ここが二日目

          しいたけ大量収穫

          リレーやバトンの話、その後。「拡散」から「深化」へ

          先日書いた、「リレーやバトンに乗れないよ」というぼやきに、たくさんコメントやメッセージをもらいました。(主にFacebookで) 「私も同感」という人、「自分ルールで楽しんじゃえばいいんだ」という人、「暇だから」という人、「やってみたけどもやもやした」という人(ざっくり分類でごめんなさい。実際はもっと丁寧に、それぞれの言葉で語ってくれてすごく面白かった!)、一方からだけじゃない意見が出るこの手のテーマっておもしろいな。もちろん私、議論するつもり全然なくて、ぼやいただけなんだ

          リレーやバトンの話、その後。「拡散」から「深化」へ

          リレーとかバトンとかチャレンジとかに乗れない自分

          コロナが始まった頃、情報収集や仲間の活動状況(とにかく舞台が一斉に休演していく時期だったので)を知るのに役立っていたSNSだが、だんだん距離をおくようにしている。 「何が正しい」、「正しくない」、「こうするべきだ」、「こうしてはならない」、「もっと怒るべきだ」、「文句を言うべきではない」。 それぞれの正義と善意で、普段冷静な人たちも、感情を抑えにくくなるのがSNS。無理からぬ、私だってここでぶちまけているわけだし。 そんな中でも定点観測的に、「この人はいつも美しい写真をあげ

          リレーとかバトンとかチャレンジとかに乗れない自分