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try! Swift Tokyoに行ってきました

try! Swift Tokyo 2024にオーディエンス枠として参加したので、印象に残ったことをレポートとして残しておこうと思います。
何百人も参加するオフラインの技術イベントに参加するのは初めてだったのでとても緊張したのですが、めちゃくちゃ刺激になりました。

発表スライドは以下にまとめられているのでぜひ見てみてください。

1日目

前日に急ぎの仕事が発生したので、その仕事をやりつつ参加しました。
仕事やらなきゃのプレッシャーや、慣れない人の多さに圧倒されてしまい、この日はほとんど放心状態でした。
それでもいくつか印象に残った発表があったので紹介します。

AIによる言語学習の変革:DuolingoのAIチューターを深掘る

私も愛用している、Duolingoを開発している方の発表です。
ChatGPTを組み込んで開発したAIチューター機能の、開発における知見の共有でした。
発表では、サービス全体でシンプルな状態を維持するためにバックエンド側はステートレスにした、など実際に開発しないとわからなかったであろう知見がたくさん詰まっていました。
また、開発にはバックエンドエンジニアの経験が不可欠だったとコメントされていることからAI機能の開発の難しさを垣間見れた発表でした。

SF Symbolsの芸術的世界:限りない可能性を解き放つ

様々なSF Symbolsを組み合わせて一つのアート(絵)を作れることを教えてくれる発表でした。インパクトで言えば今回のイベントでダントツ1番です。SF Symbolsという視覚的な情報をうまく使うことで、全エンジニアが言語の壁を超えて一体感に包まれる不思議な発表でした。これぞ国際イベントに最適な発表だと非常に感心しました。もちろん、iOS17から新たに追加されたSymbolEffectを利用するなど技術的な知見も散りばめられており、笑いだけでなく学びも多かったです。

2日目

せっかくオフラインイベントに来たのに、あまり交流できなかった前日の反省を生かして、2日目は積極的に人とコミュニケーションをとることを目標に参加しました。前日の仕事が夜遅くまで続いたため、この日は途中から参加しました。

Accessibility APIを使ってアプリケーションを拡張する

本来は体の不自由な方をサポートするために用意されたmacOS向けAPIを、AIへのインプット取得に応用して開発した知見の発表です。
開発例として、任意のアプリでChatGPTサポートを受けられる機能や、読書中のコミックをリアルタイム翻訳する機能など非常に多岐にわたる応用がされていました。
新しく提供されたAPIに焦点を当てる発表が多い中、AI等の新技術と掛け合わせることでいにしえのAPIに再度焦点を当てる大変面白い発表でした。

アプリローカライゼーションの自動化

Nihongoアプリ開発者の発表です。Nihongoの多言語対応で行った自動化の取り組みを紹介してくれました。
例えば、CI/CDでアプリに新しいテキストが追加されたことを検知し翻訳依頼サイトにそのテキスト翻訳を自動依頼するなど、ほぼ全ての工程を自動化しており、個人開発者でも数多の種類の多言語対応ができることを証明されました。
翻訳自体はAIではなくプロの翻訳家に依頼するといった、品質に妥協しない姿勢もさすがだと思いました。
私が普段開発しているアプリも多言語対応しているので、学んだエッセンスを取り入れて作業の効率化に努められたらと思います。
また、これら取り組みのおかげでNihongoアプリが多言語対応され、より多くのユーザーに届いていることを考えるといち日本人として感謝です。

懇親会

食事にも手をつけず、変な恥を捨て色々な人に話しかけました。お酒だけは手をつけました。
ほろ酔いしたおかげで割と積極的に色々な方に声をかけられたと思います。
少人数開発におけるアプリ品質の担保の仕方についてなど、自分の職場に応用できそうなことを話せてよかったです。
中には、パリで活躍されているファッションデザイナーの方も来られており、普段デザインに利用する3Dアプリ(https://www.marvelousdesigner.com/)を教えてもらったり、個人開発中アプリを見てもらったりなどまさかの異業界の方とも交流でき充実した時間でした。

visionOS Developer Meetup

try! Swiftとは直接関係はイベントですが、懇親会の後にvisionOS Developer Meetupに参加しました。
会場にはVision Proを購入した多くの強者が参加されておりビビりました。
海外の方も多く参加されており、日本だけでなく世界中でもVision Proの注目度は高いことを実感しました。
実際にVision Proを体験させてもらったり、Vision Proを買って日常にどう変化があったかについて教えてもらうなど、オフライン参加したからこその貴重な時間を楽しむことができました。
皆さんの熱に当てられ「Vision Proが日本で発売されたら即購入する」と高らかに宣言してきたのでこれからしばらく貯金生活に入ります。

3日目

3日目はワークショップでした。2日目の疲れがどっときて少しオフモード状態での参加となりました。

Apple Vision Proならでは! 空間アプリ開発の始め方

参加したワークショップはApple Vision Pro向けの空間アプリを作成です。内容は二部に分かれていました。
前半は、あらかじめ用意されたシンプルな3Dモデルに対して、Reality Composer Proでエフェクトをつけてリッチにしていく内容でした。
エフェクトをShader Graphと呼ばれる機能で設定するのですが、説明を受けながらこの設定をするのが難しく途中からついていけなくなってしましました。

Shader Graphの設定例

オンラインであれば動画を巻き戻したりして納得するまで時間をかけられるのになあ、などとオンラインの良さを思いがけず再認識したワークショップでした。
講師の方が完成例を用意してくださったので、自宅に帰ってから例を参考に最後まで完成させました。
天候状況を3D空間に表示するアプリケーションで、パラメータを変更することで天候を変更することができます。以下の画像は夕方の雪を表しています。

夕方・雪の天候を表示したvisionOSアプリ

後半は、Unityで開発した機能とSwiftで開発したUIをどうやって繋ぎこむのかを学べる内容でした。
予め用意されたサンプルプロジェクトに対して、Unity側で特定のイベントが発生したらSwiftUI画面を表示する機能などを実装しました。
一人で作業したら絶対に詰まっていたであろう箇所をワークショップを通してみんなで学べることができてよかったです。
前後半通して非常にためになるワークショップでした。

全体を通して

参加してよかったと声を大にして言える素晴らしいイベントでした。
初めての大規模オフラインイベントへの参加で楽しめるのか不安でしたが、丁寧な進行や交流を促進する運営方針のおかげで、さまざまな方々と交流できました。
また、オフラインならではの熱量を感じることができ、オフラインイベントの楽しみ方が少しわかりました。持ち帰ったこの熱を大きく育てて、次に参加するイベントで還元できたらと思います。
最後に、素敵な機会を創ってくださり、運営の皆さんには本当に感謝です。ありがとうございました。

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