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【100年の機屋タケツネに弟子入りします。】 〜管巻きは機織りの大事な下準備〜

2019.07.10 ユカリ

超密着型潜入部隊弟子入りが始まりました。
弟子入りはいつでもどこでも緊張します。前日は遠足が楽しみでドキドキワクワクが止まらず夜寝れない小学生現象に見舞われました。


まず教えてもらったのは、機織りをする為に必要な糸の準備です。
布は経糸と緯糸の組み合わせで出来上がります。その緯糸を準備する工程です。

この工程を「管巻き」と言います。

「管を巻く」と慣用句がありますが、その語源です。
それではgoogle先生にも聞いて見ましょう。
オッケーグーグル。

「ぶうんぶうん」と音が鳴る。本当に鳴ります。
それがお酒に酔った人の話になっていくのは謎ですが、みなさん一度は「管を巻く」って口にした事があるのでは?


それではこの工程は何をするのか、先輩職人に教えていただいたことを元に、あたしが説明させていただきます。

それでは、レッツゴー!

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機場に行き、織り工さん(織り工:織機を操り布を織る人のこと)と織機の間を縫い、使い終わった管を回収します。

↓回収した管がこれです。

これを管巻き機にセットして緯糸を巻いていきます。

管にも管巻き機にも種類があります。
織機によって使う管が違かったり、巻く強さが違かったり…
織機、管、巻き方の組み合わせがそれぞれあり、それに対応した管巻きをここで行うのです。

先輩職人は360度目が付いているのか?と思うくらい、同時に何本もの糸巻きをし、管巻き機の前で反復横跳びをするような軽快さで動きます。
そして耳で糸巻き機の音を聞き、綺麗に巻けているかを判断。

「おや?」となった時の機械への反応の速さは驚愕レベルです。

↑これは生糸(絹の糸)を巻きつけた管です。
管の大きさが違うのは織機によって使う管が違うから。

↑これはナイロンの糸なのですが、これを織り込むことによって輪奈(ループ)をつくり柄を表現して行きます。最後の工程でナイロン糸は抜くのですが、これがあるのが輪奈ビロードの特徴です。

↑糸を巻いた管をそれぞれ織り工職人用の籠に入れ、緯糸を準備しておきます。この籠の中にちゃんと次の管がストックされていないと織機が止まってしまいます。

ここの大事な仕事は織機を止めないこと、
次の仕事に支障をきたさない仕事に仕上げること。


↓管巻き機に掛ける糸はまるでミシンに糸を掛けているようです。
ただ、この掛けるところがいっぱいあり複雑で、ちょっとでも間違えると糸巻きの強さが変わってしまいます。

この工程の巻き具合によって織りに影響が出てしまいます。織機に合った巻き方ができているか、とっても大事で繊細な仕事です。


機織りって織機を動かす方が注目されがち(と解釈している)ですが、管巻きの重要性を是非ここで伝えたい!!

一枚の布が出来上がるのは、各工程の職人たちによる連携プレーの賜物なのです!!!


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