3.高周波焼入れの構成要素

高周波焼入れ、つまり高周波の交流電流を使った鋼を硬化させる工法の原理をここまで説明してきました。オーステナイト領域まで加熱し、そこから急速に冷却することでマルテンサイト組織を得ることで硬度を上げる。加熱するための方法として電磁誘導という物理現象から対象物に電流を流し、そのジュール熱を用いる。交流の表皮効果によって対象物の表面だけが加熱される、という仕組みでしたね。

ではここからはより具体的に高周波焼入れならではの道具や周辺装置の説明をしていきたいと思います。

できるだけ図を使って説明するように心がけていますが、パワーポイントを使った作図なので仕上がりは良くないかもしれません。ご容赦ください。

3-1.コイル

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