リストマニア

ロックオペラムービーのNo.1は、デ・パルマの「ファントム・オブ・パラダイス」だと長年思っていたけど、違った。
ケン・ラッセルの「リストマニア」に、すっかりやられてしまった。

しかし、ここまで官能を悪ノリで描いてしまえば当然、猛反発もあるだろう。
この作品は、ホドロフスキーがヌルく思えてしまうほどボカシ的タブーに満ちている。
(ほとんどパゾリーニのレベル)。
ここまで男性監督がエロ(ホントの意味での、バタイユ的エロティシズム)に突っ走ってしまうと、女性観客には「引く」を通り超して「拒絶」まで至らせると思う。

(この予告編もその配慮のためか、かなりヌルい。健全的な数少ないシーンは、コレだけとも言える)

ワーグナーが墓場から蘇ったらヒトラーになっていて、哄笑しつつ廃墟でマシンガンをぶっ放し続けているなんて、ヤバいを通り越して呆然としてしまった。
でも、ぼくは凄く癒された。

デ・パルマと宮崎駿はどこか似ていて、彼らの作品は良く出来ているけど、観ていて「癒された」ことは無い。
やはりどこか隠しているし、裸では無いからだ。

ここまで裸でやりきっちゃった映画は、初めて観た。
とんでもなく面白かった。
https://youtu.be/CeglJMCgnuw

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