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無難な道

人間誰しもが無難な方向を目指して日々暮らしている。
危険なことに遭遇しない道、嫌な思いをしない方法、できるだけ疲れない動作、無理をしないで成功する方法……
結局、身体的にも精神的にも負担を少なくしつつも効率よく目標を達成できる人生を求めているのだろう。
誰だってストレスを溜めたくないし成功もしたい。
その通り。
今まで多くの人間がそんな考えを抱いていたから便利な道具やより妥当なルールなどが作られてきた。そして文明が発達してきた。
これからも続くだろう。
百年後には、今生存している人間たちには想像もできないようなより効率の良い世界が作り上げられているだろう。
月日の経過が繰り返される度に無難な方向も進化していく。嫌な気持ちを極力持たない生活が送られていく。
しかしそれは、比率としての表情でしかない。
便利な時代になって様々な業務の時間短縮やより負担の少ない作業、できるだけ健康で生きられる医療技術等は発展していくが、やはりどこかで必ずストレスの溜まる部分もあるだろうし生物として優劣をつける本能等が足枷となって結局、嫌な気持ちで人生を送る人はなくならないと思う。誰しもが人間として生きている以上そこに陥る危険性を持っていることはずっと変わらないだろう。
乗り越えないといけない何らかの障害は必ず訪れる。それは物理面でも肉体面でも精神面でも発生する。
我慢する、努力する、時には思い切り発散させる。
そして障害を乗り越えた先に待っているものは形ある報酬だったり快適な環境だったり達成感だったりする。
これは、どの時代に人間として生まれたとしても変わりはない。
生きていくために必要な課題なのである。
仮に、時間がもっと流れ文明が進化していき、生きている人間たちがストレスを全く感じない世界に到達してしまうのならば、既に生物としての機能を全く持たない人間たちが殺風景に生きている世界になるだろう。

 

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