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フィッシャーズの全動画(8年分・1828本)を分析してわかった友情と成功の軌跡〜そして絹の道へ〜

インフルエンサー分析87人目の今回は、Fischer's-フィッシャーズ- (@FischersHome)をとりあげます。フィッシャーズさんのYoutubeチャンネルに登録されている全1,828本(2019年6月22日現在)の動画分析を行いました。

フィッシャーズとは?

フィッシャーズは7人組(結成時は8名)の男性Youtuberグループです。メンバーは全員同じ中学校の同級生同士で、息ぴったりの仲の良い掛け合いとアドリブによる進行が特徴的です。

メンバーは一人ひとりがとても個性的であり、全員そろうとまさに「やんちゃ坊主」の集団。遊び心溢れる動画が多くのファンから人気を集めています。その活動はYoutubeを越えて、映画・ドラマへの出演やCDの発売など多岐に渡っています。

フィッシャーズの詳細や人気の理由などは様々な場で語られていますので、ここで言及はしません。本エントリーでは公開動画から読み取れる情報から彼等の成功の軌跡を分析をしてみたいと思います。

動画の総合再生数・平均再生数・平均時間

フィッシャーズの動画総合再生回数、動画一本あたり平均再生回数と平均の長さは

総合再生回数:70億7268万1255回
平均再生回数:386万9082回
平均動画時間:6分

でした。動画の総合再生数が70億超えということで、地球上の全人類がほぼ1回ずつフィッシャーズの動画を視聴したに等しい数値です。日本のYoutuberの中ではNo1の再生数ですね。

動画の制作本数の推移

年にどれくらいのペースで動画が公開されているか分析します。

フィッシャーズの動画制作ペースは、年に平均して229本でした。2014年から、かなり積極的に投稿本数を増やしているようです。

動画再生数の推移

フィッシャーズ動画の再生数の推移を、年代ごとに分析します。

再生数合計の推移

動画一本あたり平均再生数の推移

グラフが典型的な山形を示しています。2016年に急激に再生数が伸び、2017年には早くもピーク。2017年にアップした動画は、合計で26億以上再生されています。1本あたりの再生数も2017年がTOPで、774万回でした。まさに絶頂期です。

しかし2018年から急激に下降しているのが気になります。2019年はまだ途中ですが、1本あたりの再生数が236万と、ピーク時の約三分の一にまで落ち込んでいます。人気に陰りがあるのか、懸念となるところですね。

タイトル言語分析

フィッシャーズさんの動画のタイトルでよく出るキーワードを分析します。

フィッシャーズさんの動画タイトルには「アスレチック」というKWが頻出しています。「シルク」「ドッキリ」「フィッシャーズ」などの単語もよく出てきます。体を動かす系やドッキリ系の動画が多いのがわかりますね。

2012年のランキング

公開された年代ごとのランキングと、総合のランキングを一気にみていきます(視聴回数ランキング・上位3位)。まずは2012年から。

3位
デスソースを多めに飲み込んだ
再生回数:308,006

2位
木工用ボンドですね毛を処理した
再生回数:1,494,432

1位
フィッシャーズの始まり
再生回数:1,972,270

この年のポイントは

・編集はほとんどなく、カメラはロング回し
・カメラがよくブレる、音質はイマイチなど動画の質には難あり
・本当にほとんど筋書きがなく、話もところどころ脱線する
・等身大のリアクションにリアリティがある
・手近に手に入るものでうまく企画を成立させている

記念すべきデビューの年。この頃はまだ趣味の延長線な感が強く、動画の内容はお世辞にも質が高いとは言えません。しかし持ち味であるメンバー同士の息のあった掛け合いはすでに健在であり、フィッシャーズの魅力は充分に伝わってきます。

2013年のランキング

3位
恐怖の刺激玉! ピリピリする成分が襲う。
再生回数:1,931,011

2位
かけてはならないおもしろ電話番号かけてみた!
再生回数:3,219,623

1位
シルクがキレた。ダイブ-のミスの真相!?
再生回数:5,733,040

この年のポイントは

・シルクの部屋が多い
・個々のメンバーのブランドを少し意識するようになった
・簡単なBGMや編集がつくようになったが、スタイルは統一されていない。機材もまちまち

動画の数は2012年に比べてぐっと増えましたが、リーダーであるシルクロードが自室で撮る企画「シルクの部屋」が大半であり、チーム名を名乗ってはいますが実質的にはまだまだシルクロードのアカウントという印象が強い頃です。しかしメンバーひとりひとりのブランドは意識し始めているところもあり、チームとして成長していきたいという意思は感じられます。

2014年のランキング

3位
巨大すぎるチュッパチャプス風キャンディ買ってきた!
再生回数:5,440,849

2位
【都市伝説】“ひとりかくれんぼ”実況やったら怪奇現象が続出!!
再生回数:7,732,841

1位
アナと雪の女王 ~雪だるまつくろう~ 口パク&ネタ集 【Do you want to build a snowman Japanese v】
再生回数:8,270,991

この年のポイントは

・2013と傾向はほぼ同じ。シルクががんばっている
・セカンドチャンネルが開設された

引き続きシルクの部屋がチャンネルの動画のメイン企画になっていますが、投稿動画数のペースは一気に上がっています。この年にシルクロードが頑張ったからこそ今のフィッシャーズは存在し続けることができているのではないかとも思います。

2015年のランキング

3位
喧嘩売ってきたヤンキーとガチバトル!!
再生回数:7,742,896

2位
【報告】この度、メンバーが抜けることになりました。
再生回数:10,583,683

1位
【放送事故】ガチ喧嘩!?フィッシャーズ崩壊の危機!!?
再生回数:13,056,692

この年のポイントは

・OPアニメが本格化
・ダイブーが脱退
・タイアップが増えだした
・コラボが増えだした
・編集レベルが向上した

Youtuberとしての活動が軌道に乗り始め、タイアップや他Youtuberとのコラボが増えています。それに伴ってかOPアニメが本格的になり、動画編集のレベルもぐっと上がっています。更にこの年はメンバーの脱退騒動もあり、ある意味、大人への脱皮を果たしていく年だったとも言えそうです。

2016年のランキング

3位
日本最大の海上アスレチックパークでまさかの大事故が起きた。Floating Island in japan
再生回数:20,918,472

2位
トランポリンとアスレチックが合体した場所がすごすぎる!!
再生回数:21,791,112

1位
【大流行】歌詞乗っ取りゲームやってみたら大爆笑したwww
再生回数:26,531,089

この年のポイントは

・動画のレベルが更に向上、TVのようになった
・アドリブだけでなくしっかり編集を加えるようになった
・テロップが多発するようになった
・BGMもしっかり入るようになった
・歌い出した

更に飛躍が感じられる年です。動画の質は劇的に向上し、各種演出含めTVを見ているような感覚になります。持ち前のアドリブトークは健在ですが、そこにしっかり編集を加えることで、より見やすい動画になりました。活動の幅も動画を越えて歌をリリース。まさに蛹が蝶になったようです。

2017年のランキング

3位
キレイすぎる海上アスレチックパークの難易度がガチめに高すぎる!? Floating Island in japan
再生回数:25,645,331

2位
笑ってはいけないアニ文字がツボに入ってしまった。
再生回数:33,108,449

1位
【MV】虹/Fischer's
再生回数:51,540,519

この年のポイントは

・総合再生回数が最も多い年
・企画が成熟してきた

フィッシャーズが最も勢いのあった年です。動画の企画や質は安定し、チームとして成熟期を迎えた感があります。

2018年のランキング

3位
絶対に笑ってはいけない8年前のシルクロード
再生回数:19,319,214

2位
英語禁止ボウリングがおもしろすぎて全然集中できない件www
再生回数:22,888,065

1位
【MV】サヨナラまたな/Fischer’s
再生回数:24,012,141

この年のポイントは

・編集は更に良くなっているが、画質の向上はあまり見られない
・メンバーのやり取りにだいぶ落ち着きが出てきた

これまでが飛ぶ鳥を落とす勢いだったこともありますが、やや減速感が見られるようになってきました。動画編集は地道な向上が感じられますが、画質はあまり進化が見られません。メンバーもだんだん大人になって落ち着いてきた印象もあります。

2019年のランキング(途中経過)

第3位
【大食い】巨大骨つき肉トマホークステーキを完食できるか!?
再生回数:5,410,417

第2位
Official Trailer | フィッシャーズと失われし碧き秘宝
再生回数:10,036,902

第1位
【100分間】大人気YouTuberたちvsシルクロードで本気の鬼ごっこした結果!?
再生回数:16,704,659

この年のポイントは

・メインメンバーのトーク力が高まってきた
・プレミアムコンテンツをリリースした
・企画がほぼTVのようになり、事務所パワーが感じられる

動画の勢いはひと段落してしまいました。企画がマンネリ化してきたのと、あまりにTV的な企画が増えてきて逆にTVとの差別化ができなくなってきたのかもしれません。

しかしYoutuberとしての各人のスキルや活動の幅はどんどん広がっています。事務所であるUUUM自体も確実に力をつけてきており、今後は事務所の力も活かしながら、更に斬新な企画に挑戦していってほしいものです。

総合ランキング

まとめ

フィッシャーズの動画の一番の魅力は「動画を見ていると、誰でも学生時代の感覚に還れる」ということかなと思っています(男子は特に)。それはメンバー同士が固い信頼と友情で結ばれているからこそだとも思いますし、その仲の良さは見ていて羨ましくなるほどです。

けれどフィッシャーズの要は間違いなく、リーダーであるシルクロードであり、彼の存在がなければフィッシャーズはフィッシャーズ足り得ないでしょう。歴史を振り返ると、シルクロードの継続的な活動がフィッシャーズの下支えとなっていただろうことは明らかです。

もちろん、メンバーは誰もが魅力的であり欠かすことができない存在です。となると、フィッシャーズというチームは次のように説明できそうです。

柱であるリーダーを中心とし、その周りを超イカした奴等が支えている最強チーム

シルクロード一人では、総合再生回数70億超えという偉業は到底達成できなかったでしょう。最強のリーダーと最強のメンバーが作る最強のチーム、それがフィッシャーズなのだと思いました。

Thank you.
Good Influence.

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