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静岡デザイン専門学校と町工場でグッズ制作を目指します!|シズデ×ファクハクvol.1

初めまして、静岡デザイン専門学校略して「シズデ」プロダクト科3年生です。この度ファクハク初開催に向け、静岡のモノづくりの技術を学びながら、ファクハクを盛り上げるための授業として、「ファクハクグッズの製作」プロジェクトを行うことになりました!

講師より:授業の目的とスケジュール

静岡のモノづくり、すごく多いですよね?!3月に開催されたファクハクのプレイベントに参加し、講師の私自身一層実感しました。ところが、学生はリアルなモノづくりの現場を知る機会や、地元の工場との関わりを持てる機会は中々ありません。皆さんも家の近所の工場で何が作られているか知らない方も多いのではないでしょうか。せっかく学校でデザインを学ぶからこそ、地域のモノづくりの素晴らしさを知る機会になって欲しいと思い、このプロジェクトを企画するに至りました。

このプロジェクトは以下のように進めていきます。

結果発表!?‥そう、このプロジェクトは、必ず商品化される訳ではないのです!モノづくりの厳しさは単なるアイデアだけでなく、コスト、生産性、ニーズ、販売価格など、商品化出来るのか?売れるのか?をシビアに問われる世界。
あまりに現実とかけ離れたモノは世に出せません。そのため、各工場様ごとに学生のアイデアに対し商品化出来るかどうかご判断いただくことにしました。
そして、見事選ばれたプロダクトについては、秋のファクハクで実際に販売する予定です。
出来るのか!出来ないのか!そんなシビアな授業になるとは!(決めたの自分ですが)
講師も今からドキドキワクワクしています!

今回は6月に4回行った工場見学のレポートを学生達に書いてもらいました。
ちょっと長いのですが、ぜひおつきあいください。

学生:工場見学レポート

「株式会社山﨑製作所」

一番最初に目に付いたのはピンクのドア!それがどうしてもとある作品のドアにしか見えない。このビビットピンクのドアは色んな世界につながる扉のどこでもドアとバチバチ飛び散る溶接の時の火花の色をイメージした「どこでもドアプロジェクト」という企画だと聞いた。 

受付に入って目に飛び込んだのは簪(かんざし)。一つのコーナーが作られていた。 どれもシンプルなデザインで思わず手に取ってしまう。一つ一つが繊細な技術を使って作られたモノだとわかる。 

バチバチバチと眩い光と共に聞こえた音。見た時、TVで見たことある光景だと思った。工場の床にはピンクの道があり、その道を歩いて工場内を見学した。見たこともない大きな機械で迫力があった。これらの機械で「きる」「まげる」「かたどる」などの作業をしているらしい。それらを用いて作られたものはどれも凄かった。溶接はバチバチと光が眩しかった。 

他にも魅力が沢山ある。ぜひドアを通ってきてみてほしい。 

「株式会社エクタス」

株式会社エクタスは、樹脂やプラスチックで商品になる前の試作品を専門に製作している会社です。ちょっと変わった会社名ですが、ギリシャ語で伸びる、飛躍するといった意味の「エクタシス」が語源です。 

元は静岡木型工業という会社名でしたが、時代の流れに合わせて樹脂を主に扱うように。今では木型製作から、自動車、家電、様々な分野のデザイン、造形に関わっており、三次元CADを駆使したモデル製作も行っています。会社の中に入るとおもちゃや車、医療器具など、試作品がたくさんありました。 

工場内では真空注型機を使った成型を見せていただきました。 
空気をなくして真空状態にすることで、気泡が入らず綺麗に成型できます。樹脂にもいくつか種類があり、ゴムなどの樹脂では、ほかの樹脂より真空にするのに時間がかかるということを知りました。 

工場内の見学終了後はけん玉で遊びました。 
というのも、株式会社エクタスでは子どもたちの夢を実現する「しずおか夢デザインコンテスト」に協賛しており、2020年の特別賞「夢のおでけん」と2022年の会長賞「おでん落とし」は実際に商品化。 けん玉を実際に遊んでみたところ、デザインも可愛く、いい具合に難易度が高いので普通のけん玉よりも長く楽しむことができました。たまごを串に刺すのは難しかった… 

今回は無茶ぶりに応える会社、エクタスを見学しました。 
試作専門というマニアックな業種ですが、さまざまな試作品を作ってきたからこその経験、技術があると感じました。 
今後もたくさんの無茶ぶりに応えてくれるのでは…? 

「ナガハシ印刷株式会社」

ナガハシ印刷さんは、【描く力でアイデアあふれる世の中に】というミッションを掲げ、それを実現する具体的な施策として、「世界基準のデザインキャンパス」を静岡に創るというビジョンを定めています。
主に印刷物、のぼり旗類、ノベルティ、オリジナル、翻訳海外向け、通信販売を行っています。 
印刷技術、デザイン、コピーライトといった“描く力”で静岡を日本一アイデアが溢れる楽しい街にすることを目指し事業を展開しています。 

ナガハシ印刷さんの設備について紹介します。 

プロッター
パソコンで作成したデータを元に、紙をカットしたり、凹凸をつけることができます。カットされた紙を凹凸に合わせて折ることにより、ケーキの箱のような立体的な造形を作ることができます。 

オリバー
色見本を基に指定された色を手作業で調合していきます。多くのプリンターは機械がインクの調合をしますが、オリバーでは確認も目視で行い、青みが足りない、赤みが足りないなどを何度も調整していきます。 

ENTHRONE
4色(CMYK)の油性インクをドット状に重ねることでカラー印刷を行う巨大な機械です。私たちが日常的に使用している「インクジェット印刷」ではなく、アルミ製のハンコを用いた「オフセット印刷」で広告チラシやポスターの製造を行っています。

「栗田産業株式会社」

栗田産業は、創設者栗田重太郎さんにより明治23年に設立し創業130年を越える鋳物製品を鋳造・販売する会社です。 
鋳造とは、金属を溶かして型に注いで作ったもの(鋳物)の工法のこと、「鋳造=製造」という意味です。 5600年前のメソポタミア文明で壁画に書かれていたことから、その時代から鋳物があったとされています。 
栗田産業には自社ブランド「重太郎」があります。 ブランド名の由来は創業者の名前だそうです。 鋳物から連想される工業製品ではなく、グラスや箸置きなど小さく身近なものを中心に展開されています。

今回は特別に鋳物づくりの体験をさせていただきました

■鋳型づくり
上下の木枠の中に鋳物砂と呼ばれる砂を入れ、指で押し固め角材で表面をかき取り平らにします。(上型には、原型と湯口棒を中に埋める)
砂が崩れないよう細心の注意を払いながら原型と湯口棒を外し、木枠を上下合わせます。

■流し込み
錫の融点は231°Cと低く、ガスコンロの火で溶かす事が出来ます。溶けると見た目は水のようになりますが比重は水の7倍と少し重く、見た目と違う事に驚きました。
お玉一杯分くらいをすくい流し込みます。

■仕上げ
5分程で手で触れるくらいの温度になるので冷めたら砂から取り出し、不要な部分を切り離し、やすりをかけてできあがり!

普段見れない工場を見学できてものすごく楽しかったです。

しかし本番はこれから!グッズ化に向けてこれからも授業の進行に合わせ月1回ほどシズデが投稿させていただきます。次回は学生達のアイデアを発表します。お楽しみに!



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ファクハクでは、様々な連携イベントがスタートしております。他にどんなコラボプロジェクトが起こっているかは、こちらをお読みください。



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