破壊

破壊 (子供の国)

<< これは2003年に雑誌へ寄稿していたコラムを修正したものです。>>

<<< 理由 >>>
 以前から、うすうす感じていたのですが、この国は子供の国だと思います。イラクで人質になった人を迎えに行った旅費を本人に請求したのを見てさらにこの考えは強まりました。天安門事件のとき、米国は星条旗を付けたバスを走らせて米国人を救出しました。何があっても自国民を保護する事が国家の長期的利益になると思います。助けたから費用を払えと言ったら、お金を持っていない人は保護される権利は無いのか?ということになります。そんなことをしたら国民の信頼が崩れ納税者が減るのです。そんなことを考えて納税している人はいないかも知れません。だから子供の国になるのです。本当は、お金と口はセットなのです。

<<< 議員とは >>>
 ここで政治家が生まれる仕組みを説明します。国会議員は、県会議員などの支援で票集めをします。県会議員は、市会議員や町会議員などが票を集めます。そこで私の地元の町会議員の選挙を例に取り説明してみます。
 まず何票で当選するか予想を立てます。毎回の選挙によりだいたい把握できています。仮に当選ラインが350票以上だとすると選挙資金として350万円以上必要です。選挙が始まると有権者に投票をお願いすることになります。ここで不思議なのは、議員は、有権者のために働くのに、なぜ有権者に投票をお願いするのだろうか、ということです。有権者が候補者にいろいろな問題解決をお願いするのがあたりまえだと思います。
 たくさんの人に投票をお願いして、あなたに投票すると言った人の数を集計していくと、1000票以上になります。ここで安全率を掛けます。これは候補者によって違うと思いますが私の経験では0.35です。0.4だと落選です。辛く見て0.3で350票あれば安心ということになります。選挙期間中、自分の得票が少ないと思ったときは、上位で当選する候補者の得票を伸ばす動きも必要です。下位の候補者を攻撃するのです。そうすれば自分の得票が中間くらいでも下位の候補者を確実に落選させることができます。
 この後、開票して結果が出ます。これが選挙の簡単な説明です。大義名分があって立候補する人もいるのですが、ほとんどの候補者は、あまり考えていません。この人たちが国を動かすのです。子供の自転車より怖いですね。簡単にいうと有権者がバカなのです。

<<< 学校 >>>
 これを防止するには、自分で長期的な視点で物事を考えなければなりません。自分や子供たちが将来困らないようにするためです。ところが、小中学校では物事を考えないように教育し、高校卒業と同時にフリーターになるのです。好きなことが分からないのだと思います。私は、中学生のとき、国語の先生から、「だまされたと思って勉強してみないか?」と言われたことがあります。私の返事は「だまされたくなーい」でした。幼稚な先生です。普通に説明すればよいのにと思いました。子供は、大人が思っている以上に深く物事を考えているのです。

<<< 持って生まれた感覚 >>>
 人間には五感があるといいますが、五感しかなければ、すべての人間は、同じ能力としか表現できないのです。実際には、六感、七感、八感・・・・・とたくさんの感覚があるのです。義務教育でそれを削り取ってはいけません。感性は生まれたときと同じレベルを保つ必要があると思います。もともと高い人は高い状態を維持し、低い人はその状態を維持すればよいと思います。生まれたときよりも高くなることはないような気がします。だから持って生まれた才能というのです。この持って生まれた才能に努力を積んで天才になるのだと思います。

<<< まとめ >>>
 多種多様な考えを持った人たちが議論して物事を決めていけば良いと思います。これが大人の国(普通の国)へ成長する唯一の方法だと思います。(2003年5月)

ありがとうございます。起業以来、下請けと工賃仕事をせず自分で考えたものを世に出して生きてきました。その経験をノンフィクションとして書いています。