ステンドグラスが灯る夜
ふと仕事帰りに見た景色に感動して久しぶりに
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家を出てちょっと歩いたところにショッピングセンターがあり、今建て替え中だ。
建て替える前の建物の中央に大きなステンドグラスがあった。夜に外から見ると中からこぼれる白い光でステンドグラスの絵がはっきりと浮かぶ作りになっていたと思う。
そのショッピングセンターはわたしが物心ついた頃からよく親に連れられて買い物によく来る場所。幼い頃は地下のぐるぐる回るお菓子売り場へ行った。
そしてなぜか、その横のお茶売り場の独特な香りが当時苦手だった。
中高生になると近所なのでよく1人で歩きか自転車でこのショッピングセンターの中の本屋さんへふらりと出かけたものだった。大学生の時は化粧品を見たり、姉のバイト先へふらっとプチ家出をしたり。
なぜこんなところにブランドがあるの?というブランドが入っていたこともあってなにかとよそゆきの服を見繕うのにもよく使っていた。
そしてスタバがあった。この辺りでは1番近い。屋内に出店していたスタバの屋内テラスみたいなところに出るとステンドグラスがデデーンとかけられていた。
晴れた日に内側から見るとキラキラして、暗い夜にはステンドグラスがとても目立っていた。
今から2年前。だんだん入ってるお店が少なくなり、とうとう閉店の知らせが入った。
食品を買ったり化粧品を買ったりお土産に包んで贈れそうなお菓子だったり、文具その他もろもろ買っていてもはやなんでも揃ってぶらぶら見て回って遊べる庭と化していたその場所は、私たち家族の日常に溶け込んでいたからか、閉店後、前を通るたびにがらんと静まり返り、ステンドグラスから明かりが漏れることがなくなったその姿を見るとどこか寂しく感じた。
しばらくして建物は取り壊され、新しく建て替える工事が始まった。またお店が出店されるという。
一度更地にして、少しずつ建て始め、今はきれいなショッピングセンターの姿が見えるようになってきた。
そしてあのステンドグラスが戻ってきた。
まだ夕方の薄明るい空の中をバスで帰る時、ちょうどショッピングセンターの前を通る。ふと顔を上げると白い光ではなく、暖かくて柔らかさのある優しい明かりがステンドグラスから漏れていた。誰もいないのに店内に明かりがついていて、映画に出てくる教会とかヨーロッパとかそういうのに近い感じでキラキラ輝いてるように見えた。
ステンドグラスに灯が灯った夜、その姿があまりにも美しくて見とれていた。
この秋、開店すると聞いている。
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