2021年1月26日19時~22時、『帝都初恋心中』完結巻刊行を記念して、大人気まんが家・蜜樹みこ先生によるサイン会＆トークショーが開催されました。

当日はイベントのために用意してくださったイラストのライブドローイングやプレゼントの抽選会もあり、チャット欄は終始大盛り上がりでした！
今回はそんな内容盛りだくさんのイベントの様子をお伝えしていきます。

まずは担当編集者の梶さんとのトークショー。
初の単独サイン会＆トークショーということで「緊張します……」と話しながらも、事前に寄せられた読者からの質問に答えてくれました。

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Q
『帝都初恋心中』完結、お疲れさまでした。どのくらい前からあのラストを考えていたのでしょうか？

A
梶さん（以下、梶）：まだ最終巻を読んでいない方にはネタバレになってしまうので、内容には触れないようにしつつ、教えていただけますか？

蜜樹先生（以下、蜜樹）：そうですね……。まず『帝都初恋心中』は読み切りで始まったんですけど、その時はもちろん今回のようなラストは考えていなくて。連載が始まった時も、まさかこんなに長く続くと思っていなかったので、３巻くらいまではずっと手探りで描き進めていました。多分、あのラストをちゃんと考えたのは５巻くらいだったと思います。その頃にはちゃんとイメージがありました。ハッピーエンドとして伝わるかは不安だったんですけど、私としては思い描いた通りに描けたと思っています。

梶：私も最初の読者としてネームを受け取っているんですけど、印刷して読んだ時に思わず涙を流しました。何回読み返しても涙しましたし、すごく心に残るエンディングを迎えていますので、読者の方もぜひ、何度でもお読みいただきたいです。

Q
環様の胸アツキュン台詞はいつどのようにして考えられたのでしょうか？　考えて出たものなのか、ぱっと頭に思い浮かんできたものなのか教えてほしいです。

A
梶：『帝都初恋心中』といえばFCフェアの特典イラストにも選ばせていただいた「今のおまえを抱きたい…」のような環さんの素晴らしい甘き台詞たちがポイントなんですけども、こうした台詞はいつどのような時に考えられたかをお伺いできればと思います。

蜜樹：ぽんぽん出てくるわけではないです。めちゃくちゃ考えて、机にかじりついて出てきた台詞なので（笑）　「ドヤ顔の環さんを出したい」みたいな感じで先にコマを割って、「ここで何か言わせなきゃいけない」と考えるんですけど、なかなか出てこなくて、考え続けて疲れ切った頃にやっと出る、みたいな。

梶：あ、そうなんですね（笑）　話の流れ上、最も言ってほしいことを、最も言ってほしいタイミングで言ってくれるなって思うんですよね、毎回。

蜜樹：ほんとですか（笑）　ありがとうございます。

梶：環さんの一言一言が先生の苦労から生み出されているんですね。

蜜樹：そうですね。あと、冷静になっちゃだめです。冷静になったら恥ずかしくなっちゃって絶対ボツにするので。勢いでネームを送って、OKをもらって、後戻りができないようにしています（笑）

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この他にも「初音さんとバルトさんは恋仲になる可能性はありますか？」という本編では語られなかったストーリーの裏側から、「漫画を描く際に気を付けていることはありますか」という作者として意識していることまで、幅広くたくさんの質問に答えてくださいました。

トークショーの後は、参加者の皆さんお待ちかねのライブドローイング！
このイベントのために用意したという、艶やかな環さんのイラストの下絵に、ペン入れをしていく様子を見せてくださいました。

「ペン入れが一番無心でできる作業なので」と梶さんからの問いかけに答えながら作業を進めてくれた蜜樹先生。話しながらまっすぐに線を入れていく様子に、チャット欄でも「会話をしながらペン入れをする先生すごすぎます！」「線が美しいです！」と感動の声が上がっていました。
蜜樹先生にとっては、下絵が一番つらい作業なのだそう。1枚を3時間近くかけて描くこともあるというお話を聞き、プロとしての強いこだわりを感じました。
実際に作業をしながら『帝都初恋心中』のキャラクターを描く際に気を付けているポイントやペン入れのコツについても教えてくださり、ファンの方はもちろん、漫画家を目指す方にとっても嬉しいお話が詰まった情報満載のライブドローイングでした。

そして、イベントは大抽選会の時間へ。
今回のプレゼントはサイン入り原稿や直筆サイン入り大判カラー複製原画などの豪華プレゼントが目白押し！　その場で蜜樹先生が当選者の方をくじ引きで選んでいくという方式で、参加者の皆さんだけでなく、蜜樹先生と梶さんもドキドキされている様子でした。

当選された皆さん、おめでとうございました！

イベントの最後は、待ちに待ったオンラインサイン会。
「皆さんのんびりしながら見ていてください」と言いながら、一人ひとりの名前を呼んで単行本にサインをしてくださいました。
オンラインということで、会場が遠い、仕事や家の都合でなかなかイベントに行けないという方も参加できるのは嬉しいポイントです。
今回はイベント当日に発売された『帝都初恋心中』最終巻と『少年ブラヰド－男装令嬢と黒書生－』第一巻の2冊にサインをして送っていただけるという豪華なサイン会で、ファンにとっては堪らない時間となりました。

トークショー、ライブドローイング、大抽選会、サイン会と盛りだくさんだった今回のイベント。ここでしか聞けないお話や、滅多に見られない作画の様子を惜しみなく披露してくださり、充実の3時間でした！

累計１２０万部突破の大正ロマンス『帝都初恋心中』最終巻は、現在好評発売中です。「ラストを早く知りたい！」という方はもちろん、「気になっていたけど読んだことがない」という方も、これを機にぜひ読んでみてください！

撮影・編集／小川利奈子　文／三橋七緒
2021.2.25 作成