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「スーパーシティ構想」とは【小論文の用語】  

 小論文の添削指導の際によく間違いとして見受けられるフレーズや、外来語由来の用語があります。その中でも、最近頻繁にメディアで取り上げられている「スーパーシティ構想」の意味や背景について解説していきます。



【1】 「スーパーシティ構想」の意味 

 ここ数年、ニュースでよく耳にする「スーパーシティ構想」。「スーパーシティ構想」とは、2030年頃の実現を目指して日本政府が進めている新しい都市開発計画のこと。街をまるごとデジタル化する、IoT化する未来都市構想です。

「スーパーシティ」構想について|内閣府地方創生推進事務局 令和2年7月

 スーパーシティでは、遠隔医療・介護、交通手段の自動走行や配送、キャッシュレス化、行政手続きのシームレス化、遠隔境域など、さまざまな分野において街が全体となりデジタル化を図ることで利便性向上を目指しています。例えば、

・行政手続DX
・多言語ポータルアプリ活用
・インターネット投票
・医療MaaS
・移動スーパーの高度化
・周辺部コミュニティ・モビリティの導入

などが例に挙げられ、スマホ1つあれば高度なヘルスケアが受けられたり、無駄なく住まいに再生可能エネルギーが供給されたり、自動運転の移動手段が利用できたりなど、夢のある未来が期待できます。


【2】 「スーパーシティ構想」の背景 

 日本には、世界に誇る技術があるにも関わらず、それをうまく活かせていない分野がまだまだ多いのも現状です。日本に先立ち、2000年からスペイン・バルセロナでは、Wi-Fiを都市のICT共通基盤として整備し、生活の利便性を高めるプロジェクトが進んでおり、中国・杭州市ではアリババ系列会社が行政と連携して、AI渋滞対策や無人コンビニなどを展開しています。

 そのような背景から日本でも「スーパーシティ」を目指して、2020年5月に「スーパーシティ法案」が成立されました。2021年8月までには下記の31の地方自治体が「スーパーシティ構想」に参加する意向を示しました。

スーパーシティ・デジタル田園健康特区について|内閣府地方創生推進事務局 令和5年(2023年)8月

 その後、政府が各自治体に対してプランの再提出を求め、結果28の自治体が応じるなど、スーパーシティ特区が選定されるまでは紆余曲折ありましたが、2022年3月10日、茨城県・つくば市と大阪府・大阪市が「スーパーシティ第1号」として指定されました。


【3】 小論文.comの対策  

 ただカタカナ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。

 また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。

 小論文.comでは、小論文.comのX(旧twitter)【小論文の時事】において特に最新の海外時事情報(特にイギリス、アメリカ、ドイツ、スウェーデン)を中心に速報でお送りしています。すべて日本語訳でお送りしておりますので、ぜひご利用ください。

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