見出し画像

中古自転車こそ、きちんと作り込むべき理由

自転車屋をやるにあたって、中古自転車を取り扱うかどうかは悩むところです。というのも、単純に粗利益率だけで言うと、中古自転車はかなり利幅が高く、安い新車よりも利益額が高くなる場合もありますが、中古車販売にはある弱点があるからです。
 それは整備するのに時間がかかるということです。逆に言うと、時間をかけなければ、かなり割のいい商品ではあります。
 こういう経緯もあり、ほとんど手をかけずに、中古車を販売する自転車屋がかなり多く、中には必要最低限変えるべき部品も変えずに販売しているところも多い、というか、それがほとんどです。実質、ただのリサイクルショップですよね。

 私は自分のお店でも中古自転車を扱っているのですが、なるべく丁寧に整理するように心がけています。タイヤが悪ければ替えますし、チューブの状態もチェックします。
 これは別に私が倫理感が高いからというわけではなく、損得を長期的に見た場合、きっちり整備した方が得をするからです。
 どういうことかというと、交換すべきパーツを変えず、修理すべきところを修理せず出した中古車はクレームとなって返ってくる可能性が高くなります。それに対応するコストを考えると、なるべくクレームがないようきっちりと整備した方が得であるということになります。
 マンションの耐震偽装事件、食品の産地偽装事件など、短期的な利益を追い求めるあまり、最終的に大きなツケを払わされるというニュースを目にしたことは皆さんあると思います。これらのケースでは、偽装や手抜きで得た利益より大きなツケを払わされる結果になっています。
 「きっちりとコストをかけるべきところはかける」というのはコストやリスクではなく「リスクを避けるための投資」だと思います。

 私が好きな半沢直樹シリーズでおなじみの池井戸先生の作品では、組織による隠ぺいをテーマにした物語が多いのですが、だいたい発覚してえらいことになります笑
 いい加減な仕事や不正はいずれ、ばれます。その対策はどうしたらいいかというと、手抜きや不正をしないことです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?