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知られざる名盤Vol2 -The Coachmen / Failure To Thrive-

ようやくVol2。一応、月1目指しておりますが、マイペースにとぼとぼやります。

Sonic Youthでお馴染みのThurston Mooreが最初に参加したバンドとして知られるNYポストパンク、ニューウェーブバンドの1979年作。1978年初頭から80年途中にかけて活動しているが、リリース自体は1988年頃にデモ音源が発掘されてからなので当時は大した話題にもなっていないことが伺える。

この作品にはSonic Youthファンが期待するような幾層かに重なったノイジーかつ計算されたギタープレイは皆無。へなちょこなボーカルにやる気のなさそうな演奏(失礼)が絡む。チューニングもあってんだかどうだか・・・おそらくは狙った変則チューニング?とも違う。これを知られざる名盤とするのは正直気が引ける思いもあるのだが、何とも言えない依存性のある不思議なアルバムなのだ。

1曲目、Thurston’s Songは印象的なギターリフから始まる曲で、そこに気だるいボーカル、たんたんと刻むドラムが続く。ベースラインが印象的で、それが独特な空気感を作っていると思う。しかし、決してソリッドではなく、全体的にもたもた感、もさもさ感が充満しており、それこそが魅力の味わい深いナンバーだ。

5曲目、Stay In My Roomはバンドらしいリズミカルなナンバー。小気味よいギターカッティングなども聴けるが、独特のモタリズム(もたもた感)は失わない。まるでTelevisionのようでもあるが、あんなに完成されたものではない。最後のドラムもなんか決めを間違ったかのような、あっ終わるの?終わるの?あっ終わるのねーって感じの尻すぼみ感(笑) 

全5曲ですので、これにて終了なのですが、まぁなんともゆるい作品な事がお分かりいただけましたでしょうか?そもそも当時正式リリースするつもりもなかったであろう音源なので、そういった事情もあるのでしょう。とにかく緩く怠いアルバムなのです。

でも、もう15年以上定期的に聴き続けているアルバムであり、私にとっては摩訶不思議な依存性のあるスパイスのようなものに化けております。流通量も少なく、Thurston Mooreという名前によって、なかなか高額な価格がついてしまっておりますが、もしお手軽な価格で見つけた場合はぜひ手に取って聴いてもらいたい1枚です。もしかするとあなたにとってのスパイスとなるかもしれません。

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