大分商vs花咲徳栄 1/3

2020/8/10

多くの高校野球ファンが待ちわびた、3月に開催予定だった選抜高校野球は、本日から"2020年甲子園高校野球招待試合"として、選抜出場権を得た32校が各校1試合のみとなるまさに「甲子園での最初で最後の戦い」を行っていく。

"春の甲子園"この呼び方がふさわしいかもしれない。

大会ではないので"開幕"なのかは分からないが、表題にある両校の主将により選手宣誓。そして試合へと入っていった。

大分商が先攻。7/20の大分県大会で初戦の日本文理大附に敗れて以来21日ぶりの公式戦だ。昨秋の九州大会準優勝の実力を発揮したいところだが、1回表は見逃し、空振り、見逃しと三者連続三振で、相手の花咲徳栄左腕エース・高森の立ち上がりを捉えられない。力まずに投げる、出どころの見えにくそうなフォームでまさに「力任せにいかない術に長けた好左腕」の印象を早くも植え付けた。

対する花咲徳栄の1回ウラの攻撃。大分商のエースで主将・川瀬は左太もも裏の負傷が引いてなかったのか、3,4,5番にはいずれもボール先攻で四死球が絡む悪循環、加えてヒットも重なり打者6人で3失点。イニング自体では8人に34球と、大変苦しい立ち上がりとなった。

なんとかこの苦しい状況を跳ね返したい2回表の大分商。しかしながら6番の川瀬にヒットが出た以外はフライや頃であっさり終わってしまう。あまりに大きい3点の援護を得ている高森のピッチングは上々の出来。申し訳ないがこの時は「ワンサイドゲームにならないでくれよな...」と願うほかなかった。秋の福岡第一戦(九州大会の初戦)を見ていただけに少し思い入れがあったためだ。

2回裏、ここで大分商・川瀬がどうギアチェンジするかを楽しみに待った。9番を右飛、1番を空振り三振と落ち着きが見えたかに思えば2,3番とボール先攻し2死ながら1,2塁。間違いなく甲子園の雰囲気になにか圧倒されている、そう感じざるをえなかった。ここで4番を迎えるが3球で内野ゴロ。無失点で抑え「この流れでなにかいい方に変われば」と願った。

3回表の大分商は外野の好守にはばまれる。特に8番打者の打球をライトがダイビングキャッチして取ったシーンで「いい流れは徳栄に続くなぁ」と感心しきり。しかし振って振って外野に飛ばしたので打った彼にもなにか収穫があったように感じた。甲子園練習もできなかった中で内外野の予測はこちらが考える以上に難しいはず。改めて甲子園を知る高校の適応能力は拍手に値する。

3回裏 大分商はまず1点を取りたい。その気持ちが焦りに出たか...。この回先頭の5番が引っ張ってライト前ヒット。6番のサードゴロの間に5番が進み、続く7番は四球で1死1,2塁。いわゆる"スパーリングポジション"。このランナーをしっかり返したい。私は左打席に立つ8番打者に「右中間の方向にライナーを打ってくれないかな...。」と願っていたが、カウント2-1の4球目を空振りし三振に倒れてしまう。が、これで終わりではない。花咲徳栄の捕手・中井がヒットエンドランを想定したであろう2塁ランナーを3塁で刺したのだ。これはもう"扇の要"が似合う、そんなプレーだ。捕手は球審とならび唯一全選手の動きが見える。視野範囲と判断力に上回られ、3回を終えて3-0。花咲徳栄は"守備も攻撃も攻めている"、そんなプレーが試合を優位に、自信もって進めているのだと確信した。

(この記事では1,2,3回の私目線で感じたことをお送りしました。1試合3部構成で書いていきますので、ぜひ読んでください。)

#甲子園2020 #交流試合 #大分商 #花咲徳栄 #夏のセンバツ

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