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社会的養護20年利用「職員は辞めちゃダメ」

児童養護「現場の事例」case.3

今回は、幼少時から社会的養護下で育ち、現在は自立していらっしゃる方にお話を伺いました。

教えていただいたのはタイトルの通り「職員は辞めてはいけない」という一言。

職員にとって、児童養護施設は「職場」だけれど、子どもにとっては「家庭」。職員は、自身のプライベートから子どものプライベートへ入っていきます。

仕事だけれど、仕事じゃない。仕事じゃないけれど、仕事。

しばしば浮かぶ矛盾点です。代わりの効く「職員」として居つつ、でも個人対個人の時間を重ねれば重ねるほど...立場を超えた愛着や、仕事を超えたこだわりが強くなっていき...業務の枠組みが煩わしくなっていきます。その葛藤を極力子どもに押し付けず「調整」するのも仕事なのかな、と。

私は福祉外から施設へ就職した身ですので「職員の適正とは?」を常に考えてきました。児童養護施設の職員になるには、何通りかの方法があります。要件となる資格も、児童指導員任用資格・保育士・社会福祉士・教員免許などなど幾つかあります。andではなくor。どれか持っていればいい形です。

児童養護施設職員の適正とは?と聞いて回ってから10年以上。今の私が思う条件の一つに「続けられる人」があります。経験上の事実、という所感です。今回は、別のスタッフからも原稿をいただきました。社会的養護下での生活経験があります。以下抜粋です。

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児童養護施設にいる子どもたちにとって、施設は家の機能を持っている。
「早番だから10時に今日はあがるねー」と家に帰る職員を見送りながら子どもたちは生活をしている。
「もっと遊びたかったなー、早くまた来ないかなー」と思う子もいれば「あいつには帰る家が他にあるんだなー」と思う子もいる(私は後者でした)。

改めて文字にするととても変なカンショクを覚えるのだが、とにかく当時11~15歳ぐらいの間の私はそんな風に思っていた。「帰る場所があるんだなー」と本当によくよく思っていた。
私がいた施設は当時子ども同士の暴力やいじめ(大人もやられます)が蔓延していたので、早く出たかったし安心感なんて微塵も感じられなかった。
まあなので「安心して帰れるホームがあるんだいいなあ」みたいな気持ちを抱いていたとしてもなんにもおかしくはないのだが。
色々つらつらと書いてしまったが、児童養護施設に限らず子ども達が過ごす場所にいる大人の影響というのはとても大きい。特に、好奇心や安心感をその場所で感じることができるかどうかは、その場所に対する価値観だけでなく子ども達の今後の人生にも大きく影響を及ぼす。
なので、今の子供たちを見ることができて先を楽しむために一緒に考えたいと思うような人だと、大人も子供も関係を続けやすいのかなーと思いました。
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以上です。case.3ぜひご高覧ください。

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