見出し画像

第81期順位戦B級1組13回戦

3月9日に順位戦B級1組最終13回戦の一斉対局がありました。

この日、私が注目していたのは、王将戦七番勝負が進行中の羽生善治九段と、9勝2敗で昇級争いのトップに立つ中村太地七段の対局です。先手の羽生九段が飛車先保留型の角換わりに誘導すると、中村七段は△6五桂と仕掛け、飛先の歩を交換します。中村七段が7筋の横歩も取ると、羽生九段は飛車に当てて▲8七角と打ち、飛角交換します。羽生九段は歩で後手陣を乱してから▲8一飛と打ち込み、香を取って竜を作ります。中村七段も△5四角と攻防に打って攻め合いますが、羽生九段は▲5九玉と早逃げして右辺に逃げ込みます。中村七段は馬を作って食い下がりましたが、羽生九段は緩急自在の指し回しで後手玉に迫り寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 横山泰明七段 - 山崎隆之八段
 千田翔太七段 - 久保利明九段
 佐々木勇気七段 - 屋敷伸之九段
 三浦弘行九段 - 澤田真吾七段
 丸山忠久九段 - 郷田真隆九段

佐々木(勇)七段と中村(太)七段が9勝3敗で並び、A級への初昇級と八段への昇段を決めました。澤田七段は敗れて8勝4敗となり、惜しくも昇級・昇段を逃しています。
一方残留争いは、久保九段が敗れて4勝8敗となり、既に決まっていた郷田九段、丸山九段と合わせてベテラン3人が残念ながら降級となりました。来期以降の捲土重来を期待したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?