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第81期順位戦B級1組10回戦~千田七段が反則負け~

12月22日に順位戦B級1組10回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、7勝1敗で昇級争いをリードする中村太地七段と、5勝3敗で追う山崎隆之八段の対局です。後手の山崎八段が9筋の位を取って四間飛車に振ると、中村七段は穴熊を目指します。山崎八段が4筋の位を取り5筋の歩を交換すると、中村七段は飛車を5筋に回して受け、3筋の桂頭を攻めて桂得となります。山崎八段は2筋に"と金"を作りますが、中村七段は▲8五桂と打って後手の玉頭から攻め掛かります。中村七段が角と銀を援軍に送り、桂交換後に馬を作ると、山崎八段は9筋を端攻めします。中村七段が馬を起点に後手玉に迫ると、山崎八段は飛車で銀を食いちぎって反撃します。山崎八段は"と金"で金を剥がして先手の穴熊を崩壊させますが届かず、最後は飛車と角で後手玉を追い詰めた中村七段が寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 羽生善治九段 - 丸山忠久九段
 郷田真隆九段 - 屋敷伸之九段
 三浦弘行九段 - 久保利明九段
 澤田真吾七段 - 横山泰明七段
 近藤誠也七段 - 千田翔太七段(反則)

中村(太)七段が勝って8勝1敗で単独トップを維持し、佐々木(勇)七段と澤田七段が6勝3敗で追っています。6勝4敗の近藤七段と5勝4敗の山崎八段辺りまでの昇級争いになりそうです。次の11回戦では中村(太)七段と澤田七段との対局が組まれており、昇級を争う上で重要な一局となりそうです。
3人が降級する残留争いは、3勝6敗の屋敷九段、3勝7敗の丸山九段、2勝7敗の郷田九段とベテラン勢が圏内に沈んでいます。残りは2-3局となっていますが、巻き返しに期待したいと思います。

なお、近藤七段と千田七段の対局は、後手の千田七段が近藤七段より先に初手を指してしまい、反則負けとなりました。二歩などと同様、指した瞬間に負けになるルールだと思いますが、何とも残念な結果です。千田七段は「先手番だと思い込んで対局準備を進めていた。対局を成立させることができず、申し訳ない気持ちです」とコメントを残しましたが、次局以降は気を取り直して頑張って欲しいと思います。


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