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第81期順位戦B級1組12回戦

2月9日に順位戦B級1組12回戦の一斉対局があり、王将戦七番勝負と日程が重なった羽生善治九段の対局が2月14日に行われました。

この日、私が注目していたのは、6勝4敗の山崎隆之八段と7勝3敗の佐々木勇気七段という昇級を争う2人の対局です。先手の佐々木七段が角換わりに誘導しますが、山崎八段は角道を開けず力戦調の将棋となります。佐々木七段が6筋の歩を伸ばして銀に当てると、山崎七段は銀取りに5筋に歩を打ちます。佐々木七段が金頭を叩いて角で取らせ、取られそうな銀を出て角に当てると、山崎八段は取られそうな銀を引いて角銀交換を甘受します。佐々木七段は一瞬の隙を突いて後手陣に角を打ち込み竜を作ると、山崎八段は飛車を角と刺し違えて凌ぎます。佐々木七段が2枚目の竜を作って攻め込むと、山崎八段は玉を上部に脱出させて粘ります。最後は山崎八段の反撃をかわした佐々木七段が、入玉寸前の後手玉を即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 羽生善治九段 - 横山泰明七段
 三浦弘行九段 - 千田翔太七段
 中村太地七段 - 屋敷伸之九段
 澤田真吾七段 - 郷田真隆九段
 近藤誠也七段 - 久保利明九段

中村(太)七段が勝って9勝2敗となり、単独トップを維持しています。佐々木(勇)七段と澤田七段も勝って8勝3敗で追っており、2枠しかない昇級争いはこの3人に絞られました。
3人が降級する残留争いは、丸山九段に続いて2勝9敗となった郷田九段の降級が決まり、勝って5勝6敗となった羽生九段の残留が決まりました。4勝7敗の久保九段、横山七段、屋敷九段にとっては、最終局が残留を賭けた戦いとなります。


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