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第3期白玲戦女流順位戦の展望

第2期白玲戦七番勝負が、西山朋佳白玲と里見香奈女流五冠との間で争われていますが、次期白玲挑戦者を決める女流順位戦が始まります。女流順位戦はA-D級の4クラスに分かれ、最上位のA級優勝者が白玲への挑戦権を獲得します。A級とB級は10名の総当たり、C級とD級は各8局で争われ、棋士の順位戦と同様、昇給と降級を巡る厳しい戦いとなります。あらためて各クラスのメンバーを確認しておきたいと思います。

A級

日本将棋連盟HPから引用

まだ第2期七番勝負の行方は分かりませんが、敗者がやはり優勝候補の筆頭と思われます。西山白玲と里見女流五冠は、今年度5つの棋戦でタイトル戦を戦うことが決まっており、両者の充実ぶりは他の追随を許しません。
対抗として挙げられるのは、伊藤沙恵女流名人と、清麗を失冠しましたが女流王座戦の挑戦を決めている加藤桃子女流三段です。両者とも「二強時代とは言わせない」という思いが強く、西山白玲または里見女流五冠を苦しめることができるか注目されます。
第1期七番勝負を戦い前期も里見女流五冠に土を付けた渡部愛女流三段、若手期待の山根ことみ女流二段、B級から昇級したばかりですが女流名人リーグで里見女流五冠を破った上田初美女流四段らの躍進にも期待が掛かります。

B級

日本将棋連盟HPから引用

10名中上位2名が昇級し下位3名が陥落するため、ほぼ全員が昇級か残留を争う厳しいクラスです。
2名の昇級候補には、伸び盛りの石本さくら女流二段と塚田恵梨花女流初段を挙げておきたいと思います。タイトル獲得経験のある香川愛生女流四段と千葉涼子女流四段実績もA級で戦ってもおかしくない実力者です。A級から陥落した鈴木環那女流三段や、各棋戦で上位に顔を出している若手北村桂香女流初段も侮れません。C級から昇級したばかりですが、10代の野原未蘭女流初段の活躍にも注目したいと思います。

C級

日本将棋連盟HPから引用

20名中上位3名が昇級し下位4名が陥落する、入れ替わりの激しいクラスです。
3名の昇級候補には、B級から陥落したものの伸び盛りの武富礼衣女流初段と小髙佐季子女流初段、実績のある室谷由紀女流三段と本田小百合女流三段を挙げておきたいと思います。もっと上のクラスで戦って欲しいレジェンド清水市代女流七段にも注目しています。D級からの昇級組の中では、10代の加藤結李愛女流初段と、聞き手の仕事を減らして棋力向上に努める山口恵梨子女流二段に期待しています。

D級

日本将棋連盟HPから引用

今期は32名が参加し、上位4名が昇級し下位7名に降級点が付きます。
4名の昇級候補には、C級から陥落して再昇級を目指す川又咲紀女流初段、前期惜しくも昇級を逃した中村桃子女流二段、伸び盛りの新鋭水町みゆ女流初段、内山あや女流1級、大島綾華女流初段を挙げておきたいと思います。今期から参戦する14歳の鎌田美礼女流2級と木村朱里女流2級、15歳の梅津美琴女流2級と松下舞琳女流2級の活躍も楽しみにしています。

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