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第81期順位戦B級1組9回戦

12月1日に順位戦B級1組9回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、昇級候補の呼び声も高い千田翔太七段と今期5勝2敗と好調の澤田真吾七段の対局です。後手の澤田七段が4手目に角道を止め雁木風に構えると、千田七段は左美濃に囲います。千田七段が▲6五銀と出て圧力を掛けると、澤田七段は△1三角と覗き、6筋の歩を突いて銀を追い返します。千田七段が▲4五桂と跳ねて桂交換し、▲3四銀と前進して銀交換すると、澤田七段は角で飛車を追ってから角取りに△6五銀と打ちます。千田七段は構わず歩で後手玉を吊り上げ▲4六桂~▲3四銀と王手し、▲2三銀成と飛び込みます。澤田七段は金を見捨てて角で先手の飛車を追ってから角銀交換し、2枚角で先手陣に攻め込みますが、千田七段は飛角交換して▲7一角と打ち込み、飛車と交換して竜を作って寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 近藤誠也七段 - 羽生善治九段
 山崎隆之八段 - 丸山忠久九段
 佐々木勇気七段 - 三浦弘行九段
 中村太地七段 - 郷田真隆九段
 横山泰明七段 - 久保利明九段

中村(太)七段が勝って7勝1敗となり、単独トップを維持しています。佐々木(勇)七段が6勝3敗、山崎八段と澤田七段が5勝3敗で追っています。大注目の羽生九段は3勝5敗となり、1期でのA級返り咲きは難しくなっています。次の10回戦では中村(太)七段と山崎八段との対局が組まれており、昇級を争う上で重要な一局となりそうです。鬼のすみかとも言われるB級1組の、熾烈な昇級・残留争いからは目が離せません。


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