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第81期順位戦B級1組8回戦

11月10日に順位戦B級1組8回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、5勝1敗で昇級争いをリードする中村太地七段と、5勝2敗で追う佐々木勇気七段の対局です。先手の佐々木七段が角換わりに誘導し、中村七段は受けて立ち早繰り銀を採用します。佐々木七段が2筋の継ぎ歩攻めから飛車を浮いて後手の銀を追い返すと、中村七段は△9八角と打ち込み馬作りを目指します。佐々木七段は▲7八角と打ち後手の角の動きを封じますが、中村七段は金を打ち込んで角と交換し馬を作ります。佐々木七段が金で馬を捕獲すると、中村七段は飛車を犠牲にして馬で金を取ります。佐々木七段は取った飛車を後手陣に打ち込み、2枚の竜で後手玉に迫りましたが、中村七段も2枚の馬で先手玉に迫り、そのまま即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 羽生善治九段 - 郷田真隆九段
 屋敷伸之九段 - 千田翔太七段
 近藤誠也七段 - 三浦弘行九段
 横山泰明七段 - 丸山忠久九段
 澤田真吾七段 - 久保利明九段

中村(太)七段が勝って6勝1敗、澤田七段も勝って5勝2敗と、前期B級2組から昇級したばかりの2人が昇級争いをリードしています。佐々木(勇)七段は5勝3敗と一歩後退し、山崎八段と久保九段が4勝3敗で続いています。大注目の羽生九段は逆転勝ちで3勝4敗となり、A級返り咲きの可能性を残しています。後半戦に突入したB級1組は混戦模様になりつつあり、熾烈な昇級・残留争いからは目が離せません。


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