最新のプレイヤーランキング、競技シーンの現状とランキング上での課題

はじめに

7月より自分が独自で作成したランキングシステムを用いて、各大会にシードランキングの提供という活動(?)を裏側で進めています。

ありがたいことに、多くの大会で採用してもらっています。細かい調整面とかで課題は残りつつも、基本的には以前よりも納得感のあるシードになっているのではないかと思っていて、地味ながらも良い活動だと思いながらやっています。

細かいランキングの決め方とかはほとんど変えてないので興味ある人がいれば以下の記事を参照してください。


2023/9/17(日)の最新ランキング

まず、定期的に見たいという一定の需要もありそうなので、9/17(日)段階での僕が作るプレイヤーランキングを公開します。上の記事を読んでいる人は分かると思いますが、僕が主観で一人一人ランク付けしてるのではなく、ポイントの計算式に基づいて自動で作成されています。

感想は見た人によって異なると思うんですけど、7月に初めて作って公開した時よりも「感覚値と近いか」「納得感があるか」を考えると、少しズレがあるのではないかと思います。

それには理由があり、それはあくまで「ランキングシステム上の」競技シーンにおける課題と言えると思います。それを今日は整理して書いていきたいと思います。

現在の状況:関東/関西でポイントの取りやすさが変化した

原因①:関東の大型大会が減少していて、関西は安定して多い

大型大会というのはざっくり参加者が多い大会です。仮に150人以上とし、7月以降の全国で開催された大型大会の開催数を比較すると、以下のようになります(以下全部そうですが、間違ってたら指摘してほしいです。データが取れていない可能性とかもあるので)

Excelそのまま貼っており、デザイン性が低いのは見逃してください

主要地域で見ると、関西が4大会開かれていて、中部でも2大会開かれているのに対して関東では1大会しか開催されていません。

なお、2023年1月~6月で見ると関東では大型大会は10大会開催されていて、関西では9大会開催されていました。プレイヤー層のバランスから考えてもこれは妥当な数字であり、大会の数でバランスが取れていればポイント上もバランスを取りやすいと言えます。

また、7月以降としているのは最初にランキングを作ったのが7月上旬というのもありますし、このランキングは直近の大会結果がより高い影響を与えるように作られているので、直近に絞ったデータを見せる方が主旨に合っていると思うからです。これ以下の章でも同様に考えています。

原因②:上位勢、トッププレイヤーの参加率でも関東は関西に比べて低め

7月以降に開催された関東・関西における全ての大会を参照し、「上位プレイヤーが何人参加しているかに基づいて算出した指標」を比較すると、関東は1大会あたり平均1,487Pで関西は2,634Pと約2倍の開きがありました。

ここで定義する「上位プレイヤー」の関東勢/関西勢比率は細かく見てないですけど、同程度かやや関東勢が高いくらいだと思うので、そこから遠征勢を抜きにして考えると「関東の大会よりも関西の大会の方が上位勢の参加率が高い」ということは言えそうです。

自分のランキングではこの「上位プレイヤーが何人参加しているか」が大会のポイントを大きく左右する要因になっているので、この指標で2倍の差があるということは1つの大会で同じ順位を獲得した場合に獲得できるポイントも開きがあるということになります。

改めてその結果何が起こっているか

2023/7/1~9/17における関東のオフ大会
2023/7/1~9/17における関西のオフ大会

データ集計期間を2023/7/1~9/17にした場合の、上が関東、下が関西におけるオフ大会の開催状況です。

一番右のTournament Tier Points(TTP)というのが大事な指標で、僕のランキング計算においてはこの数字が高い大会で結果を残せば高いポイントが獲得できます。

これを見ると、関東におけるTTPの合計が29,597P、関西におけるTTPの合計が42,106Pとなっています。スマブラSPが始まってから、このような比較をした時にここまで大きく関西が関東を上回っていたことは少ないのではないかと思います。(3か月という短いスパンで考えるならそれなりにあったかもしれないですが…)

なお、2023年1月~6月で抽出した場合のTTPの合計値は、関東が130,780P、関西が71,908Pとなっており、7月を境にすると競技シーンの状況が変化していることが分かると思います。

ただし通年で考えるなら結局関東の方がTTP合計値は高いですし、関西勢の方が有利な現状になっているとは"一概には"言えないと思います。(1~6月までの開きは関東の大規模大会のレベルがインフレしていたのもあって、これはこれで異常だとは思うので)

また、この記事では単純化のため論点を「TTP」のみに絞りましたが、これが各大会でどのように各プレイヤーに配分されているか(どういう順位獲得状況になっているか)まで考えるともう少し違った示唆も出ると思います。今回はそこまでは踏み込みません

ランキングシステム上、どのような状況になっているか

以上をまとめると、7月にランキングを公開した時に比べて大きく2つ変化していると思っていて

  • 関西勢の方が関東勢よりも以前と比べて相対的にポイントを獲得しやすい状況になっている

  • 関東勢の中でもTop10~20クラスの最上位プレイヤーの参加率が低めなため、参加率が高く上位安定しているプレイヤーがポイントを多く稼いでいる

これらについて、自分の主観でどう思うかで言うと、基本的に今のままで良いと思っています。関西の大会数が多くて上位プレイヤーも多く参加しているならそこでポイントが多く発生しているならそれはコミュニティとプレイヤーの努力だし、高く評価されて然るべきだと思っています。また、関東の中規模大会で最上位があまりいない中でコンスタントに結果を残し続けている人が評価されるべきだとも思います。

なので、ランキングを見て「この人こんな高いんだ/低いんだ」ということが発生してもそれはランキングシステム側の問題というよりは、競技シーンを取り巻く状況の変化によるところが大きく、それは「(特に観戦勢から見る)納得感」というものでやや変化は生まれたかもしれないけど、個人的にはこれはこれで良いかなと思っています。

(なお、JJPR等他のランキングでも計算方法を考えると似たような状況にはなっていると思います。)

大会参加数の少ないプレイヤーを評価しづらいという課題

これは大会結果を集計して、ポイント計算をしている以上、極論どれだけ強くても大会参加数が0だったらポイントランキング上は"圏外"になってしまうのは避けられないです。

なので「そういった人はもっと大会に出ろ」ではなく、個別の状況を加味して主観的にシードを上下させるというのは必要な工程かなというのは変わらないです。

自動化をしてシード作成にかける時間を減らすことは大事だけど、それありきになってしまうとそもそも最も重要な「精度の高いシードを作る」というゴールから遠ざかってしまうと思います。

おわりに

以上です、データを比較して競技シーンを見るのも面白いと思いますし、それに合わせて今後「極端な状況変化」が生まれるならそれに合わせてランキングの在り方や計算方法も変化させていくべきだと思っています。

ありがとうございました!

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