「フードバンクへの食品提供が全額損金算入」について調べてみた

昨年末にしたこのニュース

「フードバンクへの食品提供 全額を損金算入」
https://www.komei.or.jp/komeinews/p18454/

「フードバンクへの食品提供が全額損金算入できるようになったことが、どうしてニュースになるのか?」と疑問に思ったので、いろいろと調べてみました。

・損金って何?
そもそものところ、「損金」が何かを知らなかったので調べてみると「費用の一部で、法人税の計算の際に、税制上かかる税金を減らせるもの」。つまり、損金に算入できる額が増えるほど、企業が払う税金が減るという仕組みのようです。

・これまではどうだったの?
これまでも企業の寄付には損金への算入が認められていましたが、上限が存在していました。つまり、ある程度までは税金の対象にならないけど、それ以上は税金の対象になるということです。商品の廃棄は、全額損金に算入できるので、「寄付しても税金がかかるんなら、廃棄した方がいいね」となっていました。

廃棄(全額損金):税金⬇︎+廃棄コスト⬆︎
寄付(一部損金):税金⬆︎

・これからはどうなるの?
これからはフードバンクへの食品の寄付は、以下の条件を満たしていれば全額損金に算入できます。

①食品衛生上、問題が無いこと
②事業者の商品管理のルール上、販売困難と判断した廃棄予定のもの
③食品提供企業とフードバンクの合意書

これらを満たせば、食品の寄付は廃棄コストを抑えられ、さらに税金も下がるという状況になったのです。

廃棄(全額損金):税金⬇︎+廃棄コスト⬆︎
寄付(全額損金):税金⬇︎

国連で決まったSDGsにも食料の問題は取り上げられています。この法改正を期に、食料廃棄の減少が進むことを期待しています。