良い消費者であること~「投資家が『お金』よりも大切にしていること」を読んで考えたこと
世の中を良くしたいと考えているけど、何をしたら良いのか分からない。
慈善団体に寄付をしたいけど、どこに寄付をするのがいいのか分からない。
そういう人たちにオススメしたいのが、自分が購入する商品を考え直すことです。
先日読んだ藤野英人さんの「投資家が「お金」よりも大切にしていること」の中で、このような一文があります。
なぜ消費することが社会貢献につながるのか、解説したいと思います。
【今回読んだ本】
投資家である筆者が「お金の本質とは何か」について考えてきたことをまとめた一冊。 僕たち日本人のお金に対する考え方に次々と問題を投げかけ、お金や投資についての考えを変えてくれる一冊。
払ったお金はどこへいく?
僕たちが商品を購入した際に支払ったお金はどこへいくのでしょうか。
商品の代金は、それを買ったお店、お店まで商品を運んだ会社、商品を作った会社、商品の原材料を供給した会社、・・・とその商品を作るとこから販売するお店に届け消費者の手にわたるまでに関わった会社へと分配されていきます。
僕たちが支払ったお金をみんなで山分けしているというのが消費の実態です。会社はそのお金で従業員に給料を払ったり、商品の製造や新商品開発をし事業を継続・発展させていくことができるので、消費活動はその商品・サービスを提供した会社や従業員を応援しているの同じことと言えます。つまり消費をするだけで、誰かの役に立っているんですね。
安売り商品がブラック企業を生む
何かを購入する際、皆さんはどんな点を気にしているでしょうか?
商品の性能、価格、デザインといろいろあるかと思いますが、やっぱりより安い方を買いたいと思っている人は多いのではないでしょうか。ですが、この考えがブラック企業を生み出しているんです。
僕たちが支払ったお金をみんなで山分けして会社は継続していると前に書きましたが、安い商品を買うということは、山分けする金額が少なくなるということです。そうなると、会社としては商品に関わる様々な費用を削らなければいけません。その結果として、人件費が削られ、低賃金やサービス残業などが発生し、従業員が疲弊し、ブラック企業となっていくのです。
「じゃあ、安売りなんかしなければいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、それに対して本書でこのような一文があります。
つまり、私たちが安い商品が良いと思っている内はブラック企業は無くならないということなんです。
「よし、じゃあ今日から安売り商品なんか買わずに高い商品を買うぞ」というのも難しいと思います。大事なのは、価格以外の部分に目を向け、「いくら安くてもこんな性能のものじゃ買わないよ」という姿勢を消費することで示していくことだと思います。
いくら安くても児童労働を助長するような安いチョコを買わないという人はフェアトレードのチョコを買うことでその姿勢を示しているように、消費をすることはその商品の背景にある社会問題に対して自分の意思表示をすることにつながる行動なんです。
まとめ
自分たちが何を良いと思い、何を欲しいと思っているのかは消費によって示すことができます。それによって良い未来も悪い未来も手にすることができる。
この本を読んで、何かを購入する時にちょっと立ち止まって考えてくれる人が増えたら、将来、お店に並ぶ商品が変わっていくんだろうなぁと思いました。
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