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相撲協会は昔、東京と大阪に分かれていた。まとめたのはヤクザの大親分。

 日本海側は大雪です。新潟県に住む知人が「道路がアイスバーンで、運転していて死にそう」と電話してきました。雪に慣れている人でも、急な降雪で参っているようです。

 週刊誌の編集部にいたとき、2年余りにわたって、ニュースのキーワードを題材にダジャレをつくるという仕事をしていました。きょうは大相撲をテーマに、その頃を思い出しながら書こうと思います。


2ヶ月間、テレビは相撲ばっかり

 あす1月14日から、大相撲初場所が始まる。横綱・日馬富士が貴ノ岩に暴行していたことがスポニチのスクープでわかったのは、昨年11月14日のことだ。

 それからちょうど2ヶ月間、テレビはずっと、相撲の話題を微に入り細に入り報じていた。テレビも視聴率が取れなければ放送はしない。ということは視聴率がいいのだろう。ということは大相撲に関心がある人が多いのだろう。聞けば、あす初日の初場所の前売りチケットは即日完売したのだという。この国に「大相撲ファンはこんなにいるのか」と心底驚いた。

 というわけで、これまでの流れは、みなさまご案内の通りなので省略。

 そんな中、最高齢の行司、式守伊之助のセクハラ疑惑が明るみに出た。フライデー(1月26日号)によると、伊之助の酒癖の悪さは以前から有名で、余罪は数多くあるという。まさに、

 行儀わるい行司。

 というのがふさわしい御仁だったのか。

 また、協会のガバナンス能力にも疑問の声があがり、いまも消えていない。

 八角のダメさ、発覚。

 と言われてもしかたないほど、八角理事長のリーダーシップには疑問符がついた。もともと相撲協会と各部屋の関係というのも曖昧模糊としたものだが、この際、キレイに整理するべき時が来たのかもしれない。

ヒール役・貴乃花親方の逆襲は?

 この混乱を長引かせたのは、貴乃花親方が昨年の12月25日まで協会の聴取に応じなかったことも理由の一つだと指摘されている。貴乃花親方は、マスコミにもダンマリを決め込んでいたが、ここにきて週刊文春の取材には応じている。

「被害者(貴ノ岩)に非があったかのような言われ方をしたのはとても残念でした。私はこのままで終わるつもりはありません」(1月4・11日号)

「一連の経緯には納得していないが、貴ノ岩は必ず土俵に戻します」(1月18日号)

 貴乃花親方と貴ノ岩は協会が認定した事実経過には違和感を抱いているのだろう。

 親方と貴の違和感。
 親方とタカノイワ感。

 さすがに無理矢理感が否めない展開となってきました……(苦笑)。

 日本相撲協会は貴乃花親方に対し、昨年12月28日の臨時理事会と今年1月4日の評議員会で理事解任を決めた。協会で理事が解任されたのは初めてのことだった。人気のある貴乃花親方とはいえ、さすがに、

 解任で、理事の座はタカねノハナ?

 と思いきや、初場所後に行われる理事候補選挙には立候補できるというから、結果次第では協会と貴乃花親方の対立が深刻化する事も考えられる。

アントニオ猪木と大親分

 年始に国会議員秘書と話す機会があったのだが、新年の挨拶もそこそこに話題は相撲になった。

議員秘書 「年末にアントニオ猪木さんに会ったんだよ」
私 「へー」
議員秘書 「で、猪木さんは貴乃花親方は第2相撲協会作ればいいんだ、って言ってた」
私 「猪木さんは日本プロレスを追放されて、新日本プロレスという新しい団体をつくったからね」
議員秘書 「そうそう。貴乃花親方もそうすればいい。いまの協会よりマシなものになるんじゃないか?」

 マシになるのかはよくわからない。しかし、歴史をさかのぼれば、相撲団体が二つに分かれていたのは紛れもない事実だ。

 フリージャーナリスト猪野健治氏が著した『やくざと日本人』(筑摩書房)によれば、相撲協会は江戸時代から大正時代まで、東京と大阪で別々の組織だった。大阪で人気だった放駒が脱走して東京に入ったのがきっかけで東京と大阪の相撲界は対立し、放駒を警察官がガードする事態になった。その仲裁をしたのが、「現代やくざの祖」といわれる大親分・吉田磯吉だった。彼はその後、衆議院議員になり、その葬儀には臨時列車まで出たという。

 東京に大阪が合流したのは1927(昭和2
)年のこと。江戸時代に生まれた相撲は二つの団体が並び立つ時代が長かった。さてどうなるか。貴乃花親方のPDCA力が試される局面を迎える、なんてことになるのか。

 初場所初日の14日は、夜にドラマ「99.9−刑事専門弁護士−」が始まる。シーズン1と同じ構成なら、主演の松潤は番組終盤に料理をしながら推理をし、最後にダジャレを言う。そのダジャレに注目しようと思う。ライバルは松潤だ!(苦笑)

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