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誰の発見か、誰の所有か。諸々考えたビクトリアフォールズ

デカすぎて全景が見えない滝

さて、そんなこんなでたどり着いたビクトリアフォールズ。
はっきり言って、全景が見えない。
最初のチェックポイントでは、スゴイスゴイ。音もドドドドドドっと地鳴りがしている。
のであるが、「世界三大瀑布」と言われると、アレっと。

幅2km、落差108m。

アメリカ/カナダの間のナイアガラは幅675m、落差52mなので、その倍くらいのスケールとのこと。
しかし、全景が見えない。見えないので、すごいことは凄いのであるが、一部ずつしか見て行けず、オオオオオオオオ!!!!!とはなりにくいのだ。

改めて考えると、現地の人に、やたら「ヘリコプター」をオススメされた理由がわかる。その時は、「(私らを)お金持ってると思って勧めてくるんだろう、東アジア人だってお金持ってないヤツはいるんだぜ」くらいに思っていたが、本当に勧めていたっぽい。空から見ると「大地の裂け目に水が落ちていく」様子がきっと見えるのだ。まあ、仕方ない。

ジンバブエ側から見る滝

今回は、ジンバブエ側からだったので、対岸にずっと舗装路があり、滝から80mくらい離れた距離感で、色々な角度で見られる。

ずーっと虹が出ている場所もあり、滝壺に落ちた水飛沫が上がってくる対流で大嵐の場所もあり、そのスケールは、全景は見えないとはいえ、「すごい!」のひと言。

むしろ、10km先からも滝の水煙がモクモクと思いっきり高く上がっていて、3km離れたホテルのテラスでも、風向き次第では滝の飛沫が雨として降ってきていた。
「幸せな水のドロップが落ちてきた」
そんな風にホテルのスタッフは言っていた。
こういう表現、いいな。

このもくもくと上がる水煙は、最初に見た人は、びっくりしただろう。

世界一怖いプール「デビルズプール」

ザンビア側には、デビルズプール(悪魔のプール)という、乾季のみ出現する世界一怖いプールに入っている人もいた。
見ているこっちがヒヤヒヤものである。
実際、乾季にしか入れないと事前情報で調べていたが、私が訪れた雨季の終わり頃も思いっきり入っていた。

これは、元々、現地の人の雨乞いの儀式で使われる場所だったそう。
ここを最初に発見した人、勇気ある。

対岸のデビスプールに入っている人たち


ヨーロッパを中心に外国人観光客ももちろん多いのだが、週末は首都ハラレや別都市からきている人や、私立の学校だろうと思われる制服を着た中学生や高校生も多く見かけた。
忘れていたが、富士山に日本人も登るように、世界三大瀑布は、海外の人のものだけではないのだ。

ビクトリアフォールズには常時出ている虹が鮮やか

物の所有の概念

物の所有に関しては、日本と少し違うなと感じる場面が何度かあった。

滝から噴き上げる水飛沫で常に嵐の場所があり、そこで写真を撮っていたら、突如、現地のお母さんに「滝の嵐でスマホが水没したから、ちょっとあなたのスマホで写真撮って送って!」と言われた。
大嵐の中、一族の写真と動画を撮り、その嵐の中でお母さんが私のスマホにgmailアドレスを入力。
この嵐の中で打ち込んだアドレスは果たして合っているのか…と思いましたが、無事届いたようでThank youと連絡有。それだけ。

その後、犯罪に巻き込まれるでもなく、何かを売りつけられるでもなく、「困った時にあなたのスマホがそこにあって、撮ってくれて送ってくれたらいいじゃん」ただそれだけであった。

他の場面でも、地平線に沈んでいく真っ赤な夕日を、スマホの性能がイマイチで上手に撮れないなと話してると、「撮ってAirdropで送るよ」と撮って送ってくれたりも。

スマホが誰ものかというのはあるのだろうが、それ以上に、Wifi使って送れば共有できるという考え方と共に、まずそこを利用した犯罪という思考には結びつかないのかもしれない。(あくまで所管なので行く際は十分注意をしてほしい前提ではあるが)

街の様子

街を歩くイノシシ。日本では害獣だが、こちらではのんびり歩いている

ビクトリアフォールズは、滝を中心とした小さな町で、周りにいくつかの村があり、そこから滝周辺や、商店街に働きに出てきている人が多いようだ。

滝へのアクセスは、とても良く、ビクトリアフォールズ空港から車で20分くらいで、治安も悪くないので、アフリカの南側に行った際には、オススメしたい。

一旦町につけば、ホテルから徒歩圏内に滝や市街地、スーパーなどあり、全て歩いて完結するところもいい。

歩いていると、お土産を売っている人たちが「買わない?」って声かけてくる。最初は気になるけれど、話してみるといい人たちで、かつ礼儀正しい。

例えば、私と一人が話していると、他の人は話に入ってこない。そして、私が他の人と目が合って話し始めると、今まで話していた人は、去っていく。

お店も、露天商5軒並んでいるところで、一人の人と話していたら、他のお店の人は、自分の店のエリアに入ってくるまで、決して話しかけてこない。

「ルールなの?」って聞いたら「そうだ」と。
こういうルールを守るような、律儀な性格が、日本人は居心地がいいだろうなと感じたジンバブエだった。

滝の発見はいつの時点か

また、この滝をいわゆる「発見した」リビングストンさんの銅像があり、ガイドさんに「これは時代的にどうなの」って聞いたら、「確かに、これが負の歴史であることは確かなんだけれど、ヨーロッパからの観光客を呼ぶマーケティングなんだ」「欧米の年配の方々にはこれが受けるから」と。
とはいえ、「最近の若い子は『発見』ではないよね」って理解を示してくれる子も多く、時代は変わってきているとも感じるよとも。

まあ、調べてみると奴隷解放にも尽力した方とのことで、色々な見方はありそうです。

とはいえ、ビクトリアフォールズという名前が変わるのもあと数年かもとも感じました。

ザンビアの人はモシ・オ・トゥニャ滝(「雷鳴のする水煙」)と呼ぶそう。

個人的には、今回訪れた3カ国中でいちばん好きな空気感の人が多かった場所でした。

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