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父の命日と戻ってきた冷たい雨

夏日に迫る
24℃の2月下旬
狩野川沿いの
河津桜も
もう葉桜に

いつもなら
寒さで凍え
乾いた空気で
皹も痛々しい
手のひらなのに

今年は
ハンドクリームの
出番は少なくて
嬉しいけれど
何だか
生暖かい
湿度を含んだ空気に
心地悪い

天皇誕生日は
父の命日

今週は
何だか落ち着かない日々
悲しくもあり
切なくもあり
ざわついた心地
変な気候のせいだろうか

父のことを
想い回想する夜

父の残していった
たくさんの借金
車のローン
10万円もする炊飯器
誰だか分からない寡婦給付金の
連帯保証人
その他
クレジットカードの支払い
昨年
蓋を開けてみたら
父が契約していたクレジットカードは
14枚にも及んでいた
全て解約と完済の文字を見るまで
本当に怖かった

相続人とは
プラスもマイナスも
すべての相続をする
当たり前だけれど

父の借金取りを目にして
母の居ない寂しさが
聞こえてくるような気がした
止めてくれる妻に
先立たれ
娘も嫁いでしまい
寂しくって
悲しかったんだよね

そして
飲み屋のねーちゃん
中国人の名前と日付けと
100万円の文字
僅かな退職金
100万円が
どこかのねーちゃんへ
消えてった
取り返すことの出来ない
紙切れ1枚

父が残した借金の額なんて
そんな数字は
父が残した生命保険全て
賄う事ができた

学んだのは
保険が大事
ってことよりも

人は一人では生きていけない
特に弱い人間は
父は
アルコール依存症でした
早く治療させたくて
早く入院して克服したくて
調べて促した
一時帰国
父にバグして
懇願したのに

父が淋しいことくらい
百も承知だ
だから
地元の大学
地元の企業に勤めて
実家から30分居ないのところに
新居を構えた
私の子どもたちが
生まれて
喜んでくれた父の
優しい目を
忘れていないよ

カナダから帰国したら
一緒に住もうと思ってたのに
そんなに
先に母のところへ
逝かないでと
手を合わせた
お通夜

あれから
4年
そして
母の23回忌が
もうすぐ

父が
残してくれた
たくさんの想い
寂しさを胸に
私は
今家族と向き合っている

情けない父かもしれない
でも
私の父に
変わりない

こどもたちは
あまり覚えていない
ママのじぃじを
忘れないように
明日は冷たい雨の中 
お墓参り

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