SDGsにどう取り組む_ーイノベーションの羅針盤にするためにー

制度と属人のはざまを縫っていく「支援の仕組み」


私の活動しているPIECESでは、
貧困や虐待などの状況下にいる孤立した子どもたちの周りに、
柔らかな「間」を巡らせ、どんな状況にあっても相談できる人がいる社会をめざしています。

そしてそのために、現在PIECESでは、地域で子ども支援の活動する市民の育成をしています。

このプログラムの特徴は、
子どもと大人の「間/関係性」のあり方を規定する(cf.学習支援、遊びなど)制度でもなく、自由な関わり方(属人)でもないというところだと思っています。

つまり、「制度と属人の間を縫う」ということなのですが、どゆことやねん!だと思うので、説明したいと思います。

※以下、前回のクラウドファンディングの2016年ときに書いたのですが、改めて修正して書いてみました。

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制度だけでは、こぼれる子どももいる

制度としての機会提供は、機会の平等、つまり、すべての人達に等しく同じ内容を届けるということが目指されます。学校や行政のサービスが代表的なものです。そして、会社やNPOがある種の事業として提供する箱やスケール可能なサービスもこちらに含まれると思います。しかし、特に課題を抱えている子に関しては、どんなものが必要か?どんなタイミングで必要か?はばらばらで、適切な支援にならなかったり、グレーゾーンな状況にある場合は、その機会にたどり着けなかったりします。 

属人的なケアを、多様なメンバーによるコミュニティで進化させる

属人的な支援は、人が柔軟に、子どもたちのニーズをカバーすることができる点で、課題を抱えている人に対するアプローチとして適切であるといえます。しかし、良い出会いは偶然に委ねられていたり、時に関係性がうまくいかなくなると途切れてしまったりします(たとえば地域、教員、親戚、友人など)。

制度と属人、どちらも必要だと思います。さらに、制度と属人性の間をつないでいくものが必要だと思いました。
だからこそ、地域でチームで子どもたちと関わる市民の育成(Citizenship for Children)という仕組みを考えました。

全国で繋がり学び続けながら、地域コミュニティで関わり続ける

PIECESのプログラムで育成された市民は、仕事でもないですし、決められた活動があるわけでもないので、あくまで属人的に、柔軟にそれぞれの関係性を紡いでいきます。
でも、個人と個人だとカバーできなかったり、重い課題には対処しきれなかったりします。そこで、プログラムで築いた市民の仲間(共同体)でその課題を共有し対処していきます。それらのサポートを、あくまで市民が行うことで、仕事ではなく「人と人との関係」であるということを重視します。

さらに、市民でやるけれども、子どもとの関わりを学び続ける環境にいることで、その関係づくりの質を高め続けるこ を目指します。2020年度以降には、地域で関わる人たちが、地域を超えて、実践知を交換し、学び続けられるようなラーニングコミュニティの創出を目指しています。(2019はプロトタイプの立ち上げを行います)

これらは、もしかしたら、人と人との良質な出会いという偶然をデザインしていくことにも近いのかもしれません。(たぶん、多くの人は、人生のなかで「お世話になった人との出会い」や「なんとも言い難い関係性の人とのつながり」を持っていると思います。それに近いでしょうか。)

今回のクラウドファンディングで挑戦したいのが、地域の人が子どもたちと関わることについて、仲間を得て、学ぶプログラムを日本全国に展開していくことです。このプログラムが拡がることで、子どもたちが「出会ってよかったな」と思える人との出会いも拡げていきたいと思います。

ぜひ、クラウドファンディングのご支援お願いします!

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