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焼き芋の思い出

ねっとり系のサツマイモが好きです。
女性の好きないもくりなんきん、とか言いますが、私はどうも水分の少ないポクポクしたものは好きではなく、断然ねっとり派。
過去しばらく、このねっとり系サツマイモはこの世から姿を消していたのですが、最近は安納芋ブームをきっかけに復活して、嬉しい限りです。

しかし、今になって人気復活しているのに、一時期姿を消していたのは、全く解せません。
子どもの頃の私は、とにかくこのベチャ芋(と我が家では呼んでいた)が大好き。市販の甘いお菓子は与えてもらえない系しつけの下に暮らしておりましたので、サツマイモのを縦に握り、上の方の皮だけむいて、ペロペロなめながら「アイスクリームのつもり」なんて、聞くも涙な幼少期を過ごしていたわけですが、アイスクリームが食べられないのはともかく、ねっとりと甘く、透き通るような濃い黄色のサツマイモが、私は好きだったのです。
が、ある頃からそのアイスクリームが手に入らなくなってしまった。口の中の水分がなくなるような、喉のつまるポクポク系サツマイモばかりがサツマイモ界を占拠するようになってしまいました。
祖母が、私のために農家にまで問い合わせてくれたこともあったのですが、べちゃべちゃしたのは人気がない、売れないからもう作らないんだ、という回答だったそうで、私も祖母もがっかりしたものです。

10年ほど前でしょうか。安納芋、安納もみじ、という種子島産のサツマイモに出会いました。ねっとり系!興奮してネットで取り寄せましたとも。ただ、安納芋って、品質が不安定なんだそうですね。もともと寒さに弱いこともあって、たくさん買っても、冬の間に傷んでしまう。
同じ頃に旅した台湾でも、ねっとり系さつまいもが主流でした。とりあえず南の島に行けば手に入るんだ、とよくわからない安心感を得たものの、この段階では入手が難しいことに変わりなかった。
が、この10年、ねっとり系さつまいも、がんばってくれました。
今や、安納芋にかぎらず、スルクスイートや紅はるかといった品種が普通に店頭に並ぶようになった。なんだやっぱりみんな好きなんじゃないか!誰だぽくぽくじゃないと売れないなんて決めたのは。

そして、つい昨日、SNSで見つけた情報、ねっとり系さつまいもを最大限に甘くねっとり焼き上げる方法。

激甘ねっとり。シルクスイートで作る糖度40の焼き芋レシピ

早速試してみました。
じゃーん。

これは!まさにこの30年、いや40年(え。)探し求めていた、アイスクリームみたいに柔らかく甘い、焼き芋!!!
オーブンで3時間焼き続けるためのガス代は考えないことにする。

わりと大きかったのですが、家族二人で一気に食べてしまいました。
八百屋から消えてしまう前に、また買いに行こうシルクスイート。
願わくば、再び妙な売れ筋情報に押されて、消えてしまったりしませんように。


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