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自分にとっての便利さを考える

5年ほど前に中古マンションをリフォームし、キッチンもお風呂も、最新のものになりました。
髪の毛がくるんとまとまる排水口、汚れがスルッと取れる素材の換気扇、曇りにくい洗面所の鏡。
当初は、これでずいぶん快適になるわと期待したものだけど、残念ながら以前の家の、シンプルなお風呂や、あまり工夫のないキッチンのほうが使いやすかったし、きれいに保てていた気がしています。

何が悪いのかなと考えてみたのですが、つまり、「汚れが溜まりにくい/落ちやすい」というのと「掃除がしやすい」は、イコールではないのですね。
確かに、お風呂の排水口には、髪の毛がまとまってたまるので、つまんで取りやすいです。でも、髪の毛をまとめるための、複雑な構造のおかげで、石鹸カスなどの不定形の柔らかな汚れが、掃除しにくい。
換気扇も、優しく洗うだけで汚れが落ちますよ、という説明なのですが、時間が経った汚れは、やはりそういうわけにはいかず、しっかりした洗剤を使って擦る必要がでてきます。私は、日常的に石鹸(アルカリ性です)をよく使っていて、その汚れ落ちの良さが気に入っているのですが、ところが、この最新型の換気扇は「中性洗剤で優しく」洗わなければならないそうなのです。そうしないと、せっかくのコーティングが剥がれてしまうとか。これが、私にとってはどうにももどかしい。

日々こまめに汚れを取り除くタイプの人にとっては、こういった最新機能はもしかしたら役に立つのかもしれません。ただ、私はそうではなく、ある程度の期間ごとに一気に掃除したいタイプ。前回の記事で、掃除が苦手と書きましたが、正確には「マメに掃除すること」が苦手なのです。汚れのつきにくさよりも、掃除のしやすさの方が大事で、いざ掃除するときには遠慮なくゴシゴシ擦りたい。せっかくの便利機能ですが、残念ながら、私にはぴったりとは言い難かったようです。
「便利」といっても、その意味は人によって異なります。自分にとって、何が面倒で何であれば苦にならないのか。新しい便利を取り入れるときには、少し考えてみる必要があるかもしれません。

結局、我が家の換気扇は、私が好きなように洗ったおかげで、見事にそのコーティングが剥げてしまいました。
剥げたコーティングのことは気にしていませんが(これでもう洗剤に悩む必要がなくなりました!)もしまた家の設備を新しくするチャンスがあったなら、「いかに優れた機能があるか」だけでなく、取扱説明書の中にひっそりと書かれている「お手入れ方法」をしっかり確認しようと思っています。

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