長期休暇

2週間休んではじめて分かった、長期休暇の本質

こんにちは!Shoko(@shokosuzuki1991)です。いつのまにか不調に陥っていたようで、10月後半に半分強制的に休暇をとりました。私は自他ともに認める健康ヲタクなんですが、自分が「休む必要がある」という自覚は全くありませんでした...(´ . .̫ . `)

ちなみに決して体力勝負な働き方をしていて、不調に陥ったわけではありません。弊社はスタートアップですが、通常の会社同様の有給制度が整備されており、私も毎年8割は消化していて、日々の働き方もかなりヘルシー(ほぼ定時退社)でした。

このNoteは、当時の私のように「無茶な働き方しているわけではないのに不調...」という状態に陥っている人が自分以外にもいるのでは?という想いから書きました。社会人人生においてはじめての、2週間という長期休暇はなかなか斬新な経験だったので、その効果効能および気づいたことをシェアできればと!

長期休暇に至った背景

①(理由はわからないけど)プッシュ通知に支配される日々
振り返ればいつのまにかSlackパラノイアになっていました...(´ . .̫ . `)
Slackの#が白く残っていると気になって仕方なく、大事なミーティングにも集中できず。弊CEOから「そんなに何でも口出さなくてもチームは回る。もっとチームを信じろ、今ここに集中しろ。」と指摘され( ゚д゚)ハッ!としたこともありました。5分に1回はSlackをチェックしないと気が済まず、お風呂にもスマホを持ち込んでいましたw

②いつも何かを考えていて脳が興奮状態→不眠に。
プライベートでもサービスや事業のこと考えるってわりとあるあるだと思うんですが、布団に入ると心拍数がさらに上がり、寝れなくなりました。あらゆる方法を試すもワークせず。これといった心当たりもなく焦る日々。

③明らかに自分のパフォーマンスが下がりはじめる
睡眠不足によって仕事に支障がではじめ、危機感を持つように。パフォーマンス出せない自分に自己嫌悪を感じる→余計寝れなくなるのバッドループに突入。

④強制休暇命令がでる

同じく不眠に悩んでいたもう一人のマネージャと合わせて、2人とも2週間休むというアイデアがミーティングの議題に出ていました。当初は「有り難いけど2週間もいらない、せめて1週間でいい」と反発するもw、「とりあえず再来週から休め」ということになり、しぶしぶ引き受ける。

2週間の過ごし方

■Slackとメールを断つ
前述した通り、通知に支配されている自覚があったので、SlackもGmailもアプリを消しました。またPCも極力触らないようにし、スマホ家に置いてでかけることもしばしば。とにかく通信機器と距離を置きました。(これを了承してくれたチームには感謝しかありません🙏✨)

■1週目:帰省。実家でひたすら本を読む
1週目は実家のある関西へ。積読を消化しようと思っていたのですが、実用書を読むと「休んでることに焦る→寝れない」となりそうだったので、『ローマ人の物語』シリーズや『史記』など歴史書を中心に読んでました。

■2周目:母親とプーケットへ
オフシーズンで5つ星ホテルなのに2人で1泊15,000円と激安だった&もう親と旅行できるタイミングなんてないのでは?ということで母親とプーケットのビーチリゾートへ。朝食ビュッフェを食べたら、ジムやプールで身体を動かし、太陽光を浴びながら夕方まで読書。夕方以降はどニューハーフショーに行ったり、クラブに行ったりしてw、4日間を過ごしました。

2週間のあいだに訪れた変化

■短期思考が抜け、中長期思考が増す
Slackとメールが日常から消え、仕事の情報が入ってこない状態になると「今週中にこれは終わらせなきゃ」とか「来週はこうしよう」みたいな短期思考につかっていた脳のキャパがどんどん空いていきました。

そうして短期に使ってたメモリがなくなっていった分、強制的に中長期やマクロなことにしか思考が使えない、という状態は新鮮でした。個人のキャリアみたいな話から事業戦略まで、大きく&長く考えることができるのは長期休暇ならではだと思います。

■自分の原点を思い出した
皮肉ですが久しぶりに母娘喧嘩っぽいものをしたことで、子供の頃の自分を思い出せました。笑 母親という鏡を通して、「私って本来こういう人間だったよな〜」という気付きをたくさん得ました。

人間はシチュエーションに合わせてある程度人格も変わるものだとは思いますが、家族の前での自分の振る舞いは最もルーツに近い気がします。親との旅行=親孝行目的、と考え、休暇=自分の時間!としがちですが、自分のために家族との時間つくるのをオススメします。

2週間休んだ結果

■2ヶ月近く悩まされていた不眠が解消
これは予想外の効能だったのですが、プーケットの1日目で死んだように13時間眠ったのをきっかけに、眠れるようになりました。(今も寝れてます)歴史書と通知オフのおかげで、「明日/今週あれしなきゃ」という思考が抜けたのが成功要因だと思われます。ただこのへんは個人差も大きいので、参考程度に。

■これまでに体感したことのないレベルの感謝がこみ上げる
2週間ぶりにSlackを開いてスレッドを読み込んだのときの感情・感覚は形容し難いものがありました..!
・久しぶりに感じる「仕事」の感覚
・滞りなく物事が進んでいることへの感動
・自分が不在の間に奮闘していたメンバーの感謝  
等々、色んな感情が湧き上がってきては「感謝」に凝縮される感じで、この感情を味わえただけでも長期休暇の意義があったと思うくらいでした。笑

■結果的にチームの成長の起点となった
不在中のPMのロールを他メンバーに任せたのですが、彼が素晴らしい動きをしてくれたおかげで、結果的に社内に新たなPMが誕生しました。笑 
完全に権限委譲するとなると、勇気のいる経営判断になりますが、「担当者が休暇中」という状況の下で別の誰かに任せるという形式は、会社にとっても、本人にとってもメリットが大きいと思います✨

また私としても「メンバーに任せても安心、むしろそっちのほうがいい」というのを、ロジックではなく感覚で理解できたことで、Slackや他のツールの通知とも適度な距離をとれるようになりました。

長期休暇の本質は半ば無理やり起きる環境変化

長期休暇の一番の効能は、強制的な思考のシャットダウンだと思います。DMMの亀山さんが「日常の夢を見なくなるまで旅をする」ことは有名ですが、別に旅に出なくとも「日常(短期思考)を抜く」ことができれば手段は何でもいいのかなと。

そうして脳に余白が生まれてはじめて、事業・自分・他者といった答えのない題材について長く、深く考えられるようになり、体調が回復したり、感謝の念が湧くのでしょう。「とにかく休め」も「走れるうちに走っとけ」も本質的ではないですが、この「短期思考の半強制的シャットダウン」の効果・効能はもっと知られてもいいのではと思います。

"弱さ"を認める"強さ"を持とう

自分のアイデンティティの中で仕事が占める割合が多い場合はとくに、他人に「しばらく休め」と言われても、素直に聞けない人が多いのではないでしょうか?私も「今休むべき」という事実を認めるのは、「弱い宣言」をするような気がしてかなり抵抗感がありました...

また、これを書くのはとても恥ずかしいし悔しいのですが、今振り返ると当時行った意思決定の質は低かったし、メンバーとのコミュニケーションもかなり下手になっていたと言わざるをえません。それが一定期間以上の休暇をとることで改善されるのであれば、個人・チーム・会社の全員が結果的に恩恵を受けることになります。

仮に上記が信じられないとしても、そもそも周囲から「休んだ方がいい」と忠告を受けるときは、何かしらのバランス(肉体、精神など)が激しく崩れているというアラートです。

日本人は休むのが下手という言説は言い尽くされていますが、私たちはそれをどこか他人事で聞いているのではないでしょうか?「自分で感じるアラートの精度」を上げることも重要ですが、目標に邁進している途中に自己を振り返るのは難しいので、他人のアラートを素直に聞くというアプローチの方が重要だと思います。

そして休暇を経て、中長期で思考できるようになった今感じるのは、不調として表出する「弱さ」を否定するのではなく、受け止めることでのみ、人は「強く」なっていけるのだということです。

私も過去の自分のような人に出会うことがあったら、このNoteのリンクとともに、 全力でアラートを出してあげようと思います。




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