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【見ざる聞かざる言わざる】 日光東照宮「三猿」の教えから、この世界の美しさを知った。

子供のころ、大人はみんなヒーローで、”完璧な存在”だと思っていた。お父さんも、お母さんも、学校の先生も。でも、いざ自分が大人になってみると、”完璧な人間”になるのは難しい。

そしてわかったことがある。僕は、世界の”良い所”を見せられていたのだと。そしてその教育は、日光東照宮で見た「三猿の教え」と一部合致するものがあった。またその教えは、将来の自分がやるべきことも示唆するものであったため、ぜひ紹介させてほしい。

子供の僕には、世界は完璧に見えた。

子供のころ、世界は完璧だと思っていた。

夢を見れば、それが叶って。大人になったら、頭が良くなって。結婚して、子供が出来て。仕事はきつくても、楽しいことの方が多くて。

思うようにいかないことがあっても、「まだ子供だから、そこにたどり着けないんだ」って思っていた。気付いたら、大人と言われる歳になっていた。あの日描いていた”完璧な存在”に、僕はまだ到底近づいていない。

夢がなんだかわからなくなって。知識のなさに腹が立って。寄り添う1人を見つけるのは難しくって。仕事は思うように進められなくって。

世界は完璧なんかじゃなかった。そして大人も全然完璧じゃなかった。そして気づく。

「あぁ僕は、綺麗なものをたくさん見せられ、聞かされ、育ててもらえたんだ」

日光東照宮の三猿の教えが、人生を風刺していた。

話は変わり、先日たまたま日光東照宮で見た「三猿の教え」に衝撃を受けたので、紹介させてほしい。

以下、文章は三猿の教え(日光東照宮)から引用させていただきます。(画像は著者撮影)

(1)赤ん坊時代

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子猿を引き寄せた母猿が手をかざして遠く(実り多い子供の将来)を優しい眼差しで見つめています。子猿は信頼しきった表情で母猿の顔をのぞき込んでいます。

三猿の教え、物語の始まり。「見ざる言わざる聞かざる」が有名な三猿の教えは、子供が親になるまでの物語を描いたものであり、そこからは多くの教訓を得ることが出来る。

(2)幼年期

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両手でそれぞれ耳、口、目を押さえた三匹の猿。いわゆる、『見ざる、言わざる、聞かざる』の三猿の教え。物心のつく幼少期には、悪いことを見たり、言ったり、聞いたりしないで、良いものだけを受け入れ、素直な心のまま成長せよという教えが暗示されています。

僕は運がよく、「良いものだけを受け入れ、素直な心のまま成長」してきた気がする。素直って自分でいうのもどうかと思うけど。

(3)独り立ち直前

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赤ん坊時代や幼年期と異なって、彫られているのは一匹の猿です。孤独感の漂う、いくらか苦渋の表情をした一匹の猿が座ったまま将来を見つめています。自力で『独り立ち』しようとする姿が暗示されています。

大学・就職で親から離れる人は多い。不安と希望を抱え、新たな挑戦が始まる。

(4)青年期

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口をきっとへの字に曲げ、天を仰ぎ見る二匹の猿。右側には青い雲がたなびいています。『青雲の志』を抱く青年期が暗示されています。

(5)挫折と慰め

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崖下を覗き込む猿とその猿を慰める猿、崖っぷちを飛び越えようとする猿。まっすぐ人生に立ち向かおうとするなかで立たされる崖っぷち。慰め慰められることを体験しながら、挫折を乗り越えて行こうとする姿が暗示されています。

挑戦の裏には、挫折はつきもの。誰かに頼るのではなく、自分の力で乗り越える必要がある。

(6)恋に悩む

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あぐらをかいて思い悩む猿とその横で木の枝にぶらさがっている(去っていこうとしている?)猿。伴侶を得るための恋愛中の悩ましさが暗示されています。

そして、恋をする。人生のパートナーを見つける。

(7)夫婦で乗り越える荒波

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結婚して仲むつまじい2匹の猿ですが、2人の前には『人生の荒波』を暗示する波が横たわっています。

今度は、2人で荒波を越えていく。

(8)お腹の大きい猿

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妊娠してお腹が大きくなった一匹の猿が彫られています。子猿もやがて母猿になります。親になって知る苦労や喜び。子供が生まれると、物語は(1)の赤ん坊時代に戻ります。

そして物語は、繰り返される。かつて自分が経験して来た、「育てられる」という経験を今度は、与える側に回らなければならない。

完璧じゃない世界で、子供には何を見せる?

「見ざる、言わざる、聞かざる」の教えで、

両手でそれぞれ耳、口、目を押さえた三匹の猿。いわゆる、『見ざる、言わざる、聞かざる』の三猿の教え。物心のつく幼少期には、悪いことを見たり、言ったり、聞いたりしないで、良いものだけを受け入れ、素直な心のまま成長せよという教えが暗示されています。

この説明を読んだ時、大人たちが”完璧な存在”に見えて、「早く大人になりたい」と思ってた僕は、この教えの通りに育ててもらえたな、と感じた。

そしてその次は、ひとり立ち、挫折、出会い、出産と話がつながる。僕は子供の頃に憧れた大人達をイメージして、この完璧じゃない世界で、のし上がっていかなければいけない。

この完璧じゃない世界で、「世界の良いところ」をしっかり見せてくれた親に感謝をし、今度はそれを、いつか生まれる、自分の子供にも同じ教育が出来たらな、と思う。

そしたら、言ってやろう。そして綺麗なものをいっぱい見せてやろう。

「世界はこんなにも素敵なんだ。どうだ、大人になりたいだろう」

そして思う。今は大変だけれど、あの日夢見た、かっこいい大人に、完璧な大人になるために、今日を頑張って生きていこう。

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