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熊本のつけ麺屋「魚雷」は、上京した僕にとっての空母だ。

空母 : 航空母艦の略で、甲板に滑走路を持ち、搭載する戦闘機や爆撃機の離艦・着艦拠点となる。(日本経済新聞より)

故郷・熊本にて

熊本はいつしか、「住む場所」から「帰りたい場所」にその姿を変えた。

24年も、というかまだ24年しか、というべきかもしれないが、私はこれまで年末年始は毎年熊本で過ごしている。

熊本の幼稚園、小中高、大学に通った。2年前に東京に出たが、毎年、年末年始は地元にいる。

どれだけ離れていても、「迎えてくれる場所」であり、久しぶりに戻ってくると「帰ってきたのだな」と感じさせてくれるこの場所は、気付けば自分のかけがえのない存在になっていた。熊本に帰ると、フワフワと宙に浮いていた気持ちも、少し落ち着くような気がする。

何時でも座れる電車、交通機関に小銭で対応する人たち、コンビニ店員の方言、コッテリとしたラーメン、高さに驚かされない建物、通町筋から見える熊本城ーー、複雑な要素が独特な雰囲気を作り出し、独特な雰囲気がそれらすべてを肯定する。気のせいか、ここは冬でも、どこか温かい。

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行列のできるつけ麺屋「魚雷」とは

僕が帰省すると、必ず向かう場所がある。藤崎宮前の行列のできるつけ麺屋「魚雷」だ。

辛党には嬉しい、“身体には優しくなさそうな辛味”の濃厚な魚介豚骨系のつけ麺が人気の店で、食後には「しばらく来なくていいや」と思うほどに胃を攻撃する一方、消化を終えると、そんなことは忘れてしまったように、体がもう一度魚雷を欲しがる。中毒性のある、小憎たらしい愛すべき店である。

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僕が帰省するときにまず考えることは、「魚雷に何度いけるか」ということ(ちなみに熊本県民帰省することを「帰熊」と言ったりする)。それほどに、いつしか僕にとって魚雷という存在は「帰る場所・熊本」を構成する大事な一要素になっていた。僕はここで、浮ついた気持ちを収め、一度しっかりと地に足をつけ、また飛び立つための燃料を補給するのだ。

そんなことを考える、実家から店までの時間、店に並ぶ時間は僕にとっての至高のエンターテイメントである。この心の高鳴りには、夢の国だって敵わない。

行列が見えてきた。どうやら今日は僕と同じような人が集まっているのであろう、これは1時間は並びそうだ。

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去る年に「さよなら」を、来たる年に「いただきます」を。

「師走」の名の通り、東京では仕事に追われて走り続ける毎日だった。それが今や、原稿一本を書き上げられる時間足を止めて一杯のつけ麺に費やす。なんと至高の時間だろうか。今年は挑戦も挫折もした。悔しくて眠れない日もあった。ストレス発散のためのバッティングセンターでは血豆ができた

1時間後、僕は去る2018に感謝を込めて、来たる2019年に想いを馳せて、そして目の前のたった1つの大きな幸せに向かってこう呟くことだろう。

「いただきます」

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もちろん、言わずもがなでめちゃくちゃにウマイ

about : つけ麺 「魚雷」

僕にとっての空母、「魚雷」。熊本に立ち寄った際は、ぜひ一度足を運んでみてください。

おすすめは、「辛つけ麺」。辛いものが苦手な人は、一風変わった「カレーつけ麺」も楽しめますよ。

熊本県熊本市中央区坪井2丁目3-37
電話 : 096-344-0611
営業時間 : 11:30〜15:00 / 18:30〜22:00
定休日 : なし

魚雷ツイッターアカウントはこちら

もっと魚雷を知りたいなら

ずる、ずる。"ラーメン健康生活"でおなじみの「すするTV」さんの動画をご賞味ください。

ではまた!



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