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「マーケティングの極意」とタライの法則

昨日は新大阪の会議室で京阪神木造住宅協議会主催の研修会が行われ、副会長を務めている私がマイスター高等学院の設立のタイミングという事もありスピーカーを務めました。次回6月の研修会は新進気鋭の若手建築家、谷尻誠さんと住宅業界のトレンドを引っ張る林哲平さんの豪華スピーカーに登壇頂く予定ということもあり、経費削減を兼ねての開催でしたが、JBNの会員だけでなく、教育関係や人材育成に悩んでいるモノづくり企業の方など、一般からも幅広くご参加頂き、大いに盛り上がりました。

共にこの国の未来を創りませんか?

イベントの告知の際には「建築×教育 マイスター高等学院スキームと新しい時代の建築事業のあり方」と題して新しい職人育成高校の内容を説明する趣旨ではありましたが、工務店が集まる団体ということで、この度新しい学校を創設した背景やその意味と意義について大部分の時間を割いて話しました。
このプロジェクトは、職人不足→職人育成の高校を創る。といった単純な対処の取り組みではなく、根本的に(建築業界に囚われず)モノづくり企業のビジネスモデル、組織構造を革新して、地域企業が共同体を再構築し、共にこの国の未来を創りませんか?との私からの提言であり、問いかけでした。そして、ご参加いただいた多くの方から賛同の声と積極的に関わりたいとのお申し出を頂きました。

サバンナの法則

時代が大きな変化を遂げる中、外部環境に合わせて自らも変化しなければ生き残れないのは自然の摂理。マイスター育成協会副理事長の清水一人氏が研修会の締めで話されていましたが、サバンナの法則とは強いものが生き残るのではなく、生き残ったものが強い者である。との事実は絶対的な真理であり、そこではライオンが生き残るとは限らず、氷河期に地中に逃げ込む特性を身に付けたネズミや蟻が生き残る可能性が高いことは誰しもが思うところだと思うのです。時代の大転換機に生き残るには、時代を読み、これからやってくる未来を想像して弱みを補完しつつ、強みを伸ばす必要があります。そして、人間が地球の覇者になったのは社会を作ったからです。弱みを補完する最上の方法は人との繋がりを強化し、共同体を構築することに他なりません。

CSV経営、三方よしへのシフト

人と人との繋がりを強くして、自分には出来ないことを助け合いの中で可能にするには、同じ目的や志向を共有する必要があります。いくら多くの人が集まっても価値観や目指す先がバラバラでは何の意味もありません。そして、う◯こにはハエが寄ってきて、美しい花には蝶が集まるように、自社(自分)の在り方を律する必要があります。今だけ、金だけ、自分だけ思考のビジネスを組み立てていると、同じような考えの人ばかりが集まり、騙し合い、奪い合いの世界に嵌りこんでしまいます。まず、ここから脱出しなければ、未来を創造することはできないと思うのです。このロジックが2006年ごろからマイケル・ポーターが提唱したCSV経営(共通価値の創造=社会課題解決型モデル)へのシフトであり、日本古来の商売観である三方よしの商売人としての在り方です。

マーケティングの真髄

一昔前に世間を席巻した原理原則型マーケティング理論を体系化したジェイ・エイブラハムの書籍、ハイパワーマーケティングの中で彼が提示したのは最強の概念「卓越の法則」。その理論を共に学び、実践していた経営者仲間は次々と目標達成を繰り返し、目指す姿を実現されました。(私はイマイチですが、)全国に名を轟かす事業所になった方もおられます。その仲間内で当時、よく囁かれていたのが「マーケティングの真髄」です。それは、「キャッシュポイントをできる限り先に伸ばす」との簡単な、でも実は非常に難しく苦しい考え方です。言い方を英語に変えれば「Giver's Gain」(与えるものは与えられる)であり、日本的な言葉に直すと「先義後利」となります。マーケティングを深く学び続けた人達が行き着いたのは自分の欲を律する人の道として昔から伝わる大事な在り方こそがマーケティングの真髄との原点回帰でした。

う◯こにはハエがたかる

最近、新たなビジネスを創出する際にはマーケティングという概念は陳腐化してしまい、時代の変化と共に廃れつつある感は否めませんが、売り方、やり方ではなく、当たり前の分かりやすいロジックを積み重ねる原理原則系のそれは、知識というよりは最低限のビジネスリテラシーとして身に付けておくべきだと私は思っています。そして、その源流の先に人としての在り方を正し、今だけ、金だけ、自分だけではなく、世のため、人のために働く、より良い世界を次世代に継ぐ強い意志を持って貰いたいと思いますし、その想いを持ち、実践することが、多くの人からの信頼と支持を受けて、結果的に経済的な豊かさも身に付けられるのを深く理解すれば、必ず信頼で結ばれる理解あるクライアントとの関係性が生まれます。蝶を呼び寄せる花になることが、持続可能なビジネスモデルの構築に不可欠なのはのは原理なのです。

モノづくり企業が立ち上がる時

このように経営者、事業所の在り方を見つめ直すと、自社の収益事業と同時に地域や社会の課題に向き合って解決を図らなければならないことに気づきます。そもそも、ビジネスとは人の困りごとを解決するからこそ、求められます。その意味で、爆発的に増え続けている子供の不登校、引きこもり、学校中退とそれから直結しているワーキングプアと呼ばれる低所得の若者の増大に、人手不足で雇用する枠も必要もあるモノづくり企業が立ち上がり、教育機関併設の事業所になる意味は非常に大きいし、社会全体から求められていると思っています。学歴社会からこぼれ落ちる若者に手を差し伸ばし、明るい未来と希望を見られる環境を整えることは私たち大人の責務だと思うのです。

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